今回は格言「金はトドメに残せ」です。
上級者にとっては常識ともいえる終盤の心得ですが、初級者がこの格言を理解するには、若干のハードルがあるようにカクザンは感じます。しかし、この格言を理解するだけで、将棋は劇的に進歩しているはずです。端的に言えば勝ちやすくなるということです。
図1は簡単な詰将棋です。初手は持ち駒の「金」か「銀」のどちらの駒で王手をかけるかという問題ですが、初級者以下の生徒さんは「金」から先に打ってしまう傾向があります。もちろん、それで詰むこともあるのですが、それはたまたま運よく詰んだということであって、将棋の正しい勝ち方(すなわち、詰みを読み切って勝つという勝ち方)とは言えません。実際、図1の詰将棋では初手▲2三金には△3一玉で、また、▲3三金には△1三玉で、「玉」は詰みません。しかし、「金はトドメに残せ」という格言を理解していれば、初手▲2三銀の発見は容易になります。以下は「玉」がどこへ逃げても「頭金」までの詰みとなります。
(図1)
「金はトドメに残せ」という格言の良いところは、最後に「頭金」の形に相手玉を追い込みやすいことだと思います。そして、この「頭金」(前回紹介しました)は、将棋の最も基本的かつ頻出する「詰み形」とも言うべきものなのです。極端な言い方をすれば、「頭金」だけ知っていれば、他の「詰み形」は知らなくても、一定数の対局に勝つことが可能です。それくらい重要な形ですので、指導者の方は根気強く繰り返し指導していただきたいと思います。また、今までなかなか勝ち星が稼げなかった生徒さんは、「金はトドメに残せ」~「頭金」という勝ちパターンをぜひ修得してください。
本日はもう1題詰将棋問題を出題しておきます。答えは自力で考えてみてください。
(図2)
◎中級者向け(1級~10級)以上
・詰将棋(やさしい5手~9手詰め)
・攻めの「拠点」
◎初級者向け(11級~20級)
○重要度A
・玉は包むように寄せよ
・王手は追う手
・遊び駒の活用
・詰将棋(やさしい3手詰め)
・棒銀(▲2三銀不成~▲2四歩)
・棒銀(▲1五歩、△同歩、▲同銀)
・3歩持ったら「ツギ歩」と「タレ歩」
・金はトドメに残せ(New)
○重要度B
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○重要度C
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◎初心者向け(21級以下)
○重要度A
・王手と詰み
・持ち駒
・駒得
・成り
・詰将棋(やさしい1手詰め)
・数の攻め(=足し算攻撃)
・棒銀(基本の攻め筋)
・タレ歩
・頭金
○重要度B
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○重要度C
・駒台
◎保留
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