「裏切り」
あれほど
信じて
いたのに
あれほど
期待して
いたのに
あれほど
教えて
きたのに
あれほど
怒鳴って
きたのに
あれほど
思って
きたのに
あれほど
考えて
きたのに
あれほど
大切にして
きたのに
あれほど
想って
きたのに
あれほど
叱って
きたのに
あれほど
真剣にやって
きたのに
あれほど
愛して
きたのに
あれほど
あれほど
信じて
きたのに
「白衣の天使」
入院することになって
やっと
退院
できることになって
さんざん
お世話になった
看護婦さんとも
きょうで
お別れ
退院できるのは
嬉しいけれど
看護婦さんと
別れるのは
とても悲しい
看護師さんって
いまは
いうんだって
いわれたけど
やっぱり
看護婦さんは
看護婦さん
もっと
いっぱい
お喋りしとけば
よかったのに
もっと
いっぱい
いろんなこと
聞いとけば
よかったのに
携帯の
メールアドレスは
教えてもらったけれど
明日からは
また
違うひとの
天使になってしまう
看護婦さんの
おかげで
無事退院できる
けれど
病気だけ治って
このまま
入院していられればって
そうだ
僕も
お医者さんになれば
また病院で
看護婦さんと
いっしょに
いられるんだね
「クラス会」
あの頃の
僕とは
違う
あの頃の
僕と
なにも
変わらない
その
どちらも
いまの
僕
だけど
みんな
その
どちらでも
ない
いまの
肩書きの僕としか
話そうと
してくれない
いまも
昔も
僕は僕
でも
そんな僕を
覚えているのは
僕自身
だけだった
いまの
僕を夢見ていたのは
あの頃の
僕だけ
そして
あの頃の
僕は
もう
いまの僕のなかにしか
残っていない
「かけがえ」
代わる
ものなど
ない
代わりになる
ひとなど
いない
ただ
ひとつ
ただ
そのひとだけ
唯一という
言葉の意味が
いまほど
心に染みいる
ときはない
かけがえない
もの
かけがえない
ひと
かけがえなど
あるわけが
ない
それが
なくなったら
そのひとが
いなくなったら
自分の
存在など
なんの意味も
ない
かけがえのない
そのひとがいるからこそ
かけがえのない
自分がいるのだから
「ある日」
いつもの
一日
なにごとも
ない
ただただ
平和な
一日
とりたてて
語るべきことも
ない
と りとめのない
一日
いつもの
ように
いつもの
ままに
ただ過ぎるだけの
そんな
ある日
ある日
という
ある一日
でも
そんなある日の
ささやかな
幸せこそ
ある日と
いう名の
いちばんの
幸せ
「バンカー」
ゴルフ中継では
ラフより
バンカーのほうが
いいですね
なんて
いってるけど
バンカーなんか
大嫌い
もし
ゴルフに
バンカーが
なかったら
いまごろ
とっくに
シングルプレーヤーに
なっている
かどうかは
わからないけど
バンカーは
やっぱり苦手
でも
苦手なくせに
ほとんど
練習したことも
なかったことに
気づいた
食わず嫌い
という言葉が
あるけれど
練習しなかったら
やっぱりできるように
ならない
バンカーなんか
大嫌いだけど
それは
けっして
バンカーの
せいじゃない
「看護」
よくなってね
と
ただ
それだけを
祈って
まい日
少しでも
元気でいてと
ただ
それだけを
祈って
病気の
そのひとが
もちろん
いちばん
たいへんなのは
わかっている
けれど
看護する
わたしのことは
誰も
心配してくれない
でも
誰かに
見ていてもらいたくて
看護するのではなく
そのひとが
少しでも早く
回復してくれる
ただ
それだけのために
看護しているの
だから
でも
ときどき
思う
神さま
まず病気の
そのひとを
見てあげてください
そして
その次に
看護している
わたしのことも
ほんの少しでいいから
見ていてくださいって
「一方通行」
あちらへ
いつも
いつも
ただ
それだけ
それが
いやなら
この道を
走っては
いけないんだって
わかっては
いたけれど
いつも
いつも
同じことの
繰り返しだと
もう走るのも
嫌に
なってしまう
でも
同じ方向に
向かって
いつも走っているから
見えてくるものも
ある
一方通行
だからって
気持ちも
一方通行とは
限らないから
「夕立 」
来そうだな
と
思っていたら
やっぱり
やってきた
突然
来そうだな
と
思っていたら
やっぱり
やってきた
来ても
すぐに
いって
しまうんだな
と
思っていたら
やっぱり
いってしまった
ふいに
きて
さっと
いってしまって
あとには
ずぶ濡れの
わたしが
いた
「三日坊主」
よし
明日から
やろう
と
心に
決めた
でも
その日は
ちょっと
用事ができて
せっかくの
決意が
くじけてしまった
その次の
日も
なんやかんやで
やっぱり
はじめることが
できな かった
結局
三日坊主にも
ならずに
なにも
やらず
なにも
はじまらず
終わってしまった
心に
決めたら
どんな理由が
あっても
やらないと
だめだって
反省したけれど
その反省も
三日坊主で
忘れてしまった
