治療方法(まとめ) | マット菌(トンズランス菌)にステロイドは使うな!

マット菌(トンズランス菌)にステロイドは使うな!

レスリングを習っている小学生の息子が、マット菌(トンズランス菌)に感染しました。
諸悪の根源は、皮膚科で処方されたステロイド薬でした。
治療経過や注意点を書いていきたいと思っています。

レスリングや柔道をやっていて、皮膚に赤い輪っかができたら・・・。


原因となる菌は、真菌です。

正式名称は、トリコフィトン・トンズランス菌といいます。

水虫やタムシと同じ菌なので、根気よく治療をする必要があります。

レスリングや柔道をやっている子供たちは、「マット菌」と呼んでいますが、皮膚科医にマット菌と言っても、通じません。


皮膚科に行き、

診察時には医師に「レスリング(柔道)をやっている。タムシです。」と申告して下さい。


専門医でも単なる湿疹と誤診してしまい、ステロイド剤を処方されると重症化するケースもあります。





体のどの部分にできたかによって、治療方法が変わります。





<体部白癬> 手、足、顔→ 抗真菌剤の塗り薬でOK




体部白癬は、早期に治療しないとダメです。

放置すると頭部白癬になります。


抗真菌剤の塗り薬には、アスタットクリーム、ラノコナゾールクリーム(ジェネリック医薬品)、マイコスポールクリームなどがあります。



・・・塗り薬の塗り方・・・

 

*1日2回程度、こすらずに、広めに薄くのばして塗って下さい(患部より3cm位外側まで塗る


*1ヶ月間、塗り続けて下さい。

  (1週間程度で症状は消失しますが、1ヶ月間続けて下さい

   中途で止めると再発することが多いです。)


*患部は石鹸でよく洗い、清潔に保って下さい。

  ツメは短く切り、患部を掻かないようにして下さい。




患部は、乾燥させておいてください。

 絆創膏や包帯で患部を覆うと、蒸れて悪化します。





<頭部白癬>


  頭→飲み薬じゃないと治りません

 



 頭部白癬に塗り薬を塗ってはダメという意見があります。

 頭皮や髪の毛に入り込んだ、トンズランス菌(マット菌)が、外に出られなくなって閉じ込められ、皮膚深くに入り込み、炎症を起こすことがあるそうです。




・・・治療方法・・・


 イトリゾール、塩酸テルビナフィンなどの成分が含まれた薬を服用します。

 

 肝機能への影響を考え月に1度の血液検査は必須となります。

 

 飲み方はパルス療法ではなく、夕食直後1日1回の連続内服療法になり、症状がなくなるまで治療を継続する必要があります。


 息子の場合は、1日1回朝食後に、イトリゾールカプセル50mgを2錠、2か月間服用します。(年齢10歳、現体重35kg)






<日常生活で気を付けること>

T.tonsurans菌の感染経路は、そのほとんどが、体と体が触れることによるとされていますが、その他には、衣類やタオル、寝具類を共有することからの感染も考えられます。集団感染を阻止するには、自分の身体や道場、部屋などをいつも清潔に保ちましょう。



  1. 練習直後にシャワーや入浴をし、できるだけ早く頭や身体を石鹸で洗いましょう。汗が乾く前にシャワーを浴びるのが理想です。
  2. 他の白癬菌に比べても、T.tonsurans菌の体内への侵入速度は速く、傷口からだと、通常の約2倍の速さで侵入します。
  3. シャワー施設のない場合は、水道の蛇口を利用して頭を洗浄し、濡れたタオルで身体を清潔にして下さい。
  4. 練習着や柔道着はよく洗濯しましょう。菌が付着してしまいます。
  5. 練習前後には道場をよく掃除しましょう。菌は抜け毛やアカのなかで半年間も生存します。電気掃除機の使用を勧めます。自分の部屋も清潔にしましょう。
  6. 部員同士で帽子やシャツ、タオルなどの貸し借り(共用)は、やめましょう。
  7. 部員内、家族内に症状のある人がいたら、早めに治療するように勧めましょう。
  8. 練習前後に友人同士でボディチェックをし、皮疹のある者は休ませましょう。