8月3日(月)
バッハ・コレギウム・ジャパン
『マタイ受難曲』
今年は新型コロナの影響で少し遅れてやってきた聖金曜日。真夏のマタイとなりました。
感染防止対策として本来満席の観客を半分ずつに分けての2公演。
私にとってマタイ2公演は初めての経験…
本番のステージで6時間以上滞在したのも初めてかも知れません。
久しぶりのステージだけに、コンディションがもつかどうかも心配ではありましたが、歌い始めてみたらそんな心配をすること自体が勿体ない。
貴重な、幸せな時間を過ごさせていただきました!
オペラシティのステージに立って、お客様の前で歌う…これを待っていた!!という感じで身体が震えました。
「音楽をやるってこういう事なんだな」と改めて思える時間。
大きな夢でもあった、BCJマタイでのイエスソロ。
こういう時期に、そういったご褒美を与えていただき感謝です。
個人的な考えとしては、
「本番はお客様が聴いているから特別」
という考えはあまり好きではありません。
聴衆が居ても居なくても、リハーサルであれ個人練習であれ、音楽をやることに変わりはないのですから…。
しかし、昨日久しぶりに多くのお客様の前で歌わせていただいて、新たに考えたこともありました。
こうやってお客様と一緒に作り出す空気感が、【音楽の真髄】なんだと。
まだまだ今後もしばらくは、「満席」のお客様の中で歌える環境が戻ってくることは難しいでしょう。
しかしながら、昨日は空いている席にも「聴きに来たくても今は聴きに来れない」お客様の想いが詰まっていたような気がしました。
まさにその空間は満席以外のなにものでも無かった!
ご来場いただき、誠にありがとうございました。
そしてご来場いただけなかった方も、想いを送ってくださり本当にありがとうございました!
今回得た経験を糧に、
また今日からの毎日に繋げていきたいと思います。
昨日抱いた想いを大切にしつつ…
もちろん、これからも日々の個人練習、リハーサルから、本番と同じように「音楽」を奏でていきたいと思います。
個人的には、
憧れの森麻季さんと、BCJの演奏会でご一緒出来たのも大変素晴らしい経験となりました!
以前、モンデヴェルディや第九でもご一緒はさせていただいておりましたが、
まさかBCJで叶うなんて…
麻季さんのマタイのアリアをすぐ後ろで聴かせていただき、
その美しい響きと、心から発される言葉に感動が止まりませんでした。