表題の様な言葉がある訳ではありませんが、私は、パワーポートを鎖骨下に

埋め込んでいますので、中心静脈にカテーテル内蔵型です。友人も、別の

医療機器内蔵型です。

 

友人は、計画的で、慎重な人ですが、それでも、外来通院の何処かの状況で

風邪を拾ってしまい、体内に炎症を起こしました。

私は、後から考えると絆創膏に反応するようになった肌の赤味が、お医者さん

も、看護師さんも、患者の私も「感染症?何かまずい事が起こったか?」という

状況を経験しました。(抗生剤を用心の為に飲みました。)

 

何かが起こった時に慌てないためには、調べておこうという事で調べました。

インフルエンザや肺炎球菌については、「国立がんセンター・情報サービスの

一般の方向け」で、調べられました。しかし、その他の感染症については、くわ

しくは分かりませんでしたので、「癌と中心静脈カテーテル感染症」で調べてみ

ました。

 

入院患者に起こる感染症対応についての、研究や申し合わせ、マニュアルなど

を読む事ができました。また、「化学療法後の中心静脈カテーテル感染ならびに

静脈血栓症に対し、SVCを単純遮断して摘除した1例」矢鋪 憲功 斎藤 裕

                       (日血外会誌 2012;21:817-819)

を読んでみました。

 

〇「中心静脈ポートは、悪性腫瘍に対する化学療法などで頻用されているが、留

  置が長期間に及ぶため感染を来たしたり、上大静脈(SVC)周辺に血栓を形

  成することは稀ではない。」

※5年の間に、設置ポート自体の性能も向上していますから、リスクは軽減されて

いると思います。化学療法の度に洗浄もしている訳です。

CT撮影は、静脈に血栓形成がされているかどうかを見る事も出来るんですね。

 

〇「いずれにしてもポート使用時の感染対策のほか、カテーテル周辺の血栓形成

  に注意をはらう必要がある。」

※私は、携帯ポンプによる薬剤投与が終わった後、自宅で自己抜針をしています。

パンフレットで読み、看護師さんよるレクチャー、調べて補足した知識に従い、医療

用とほぼ同じ介護用のゴム手袋を用意し、慎重に、手順通りの抜針を心掛けてい

ます。めんどくさい心を抑え込んで。(感染症になるのは嫌ですから。)

 

ポート周辺が赤くなり、抗生剤の処方を受けた時、主治医は、

「思わぬ事で感染症は起こるんですよ。ポートを埋めた場所に強い力がかかった

 り、ぶつけたり、ボコッとポートが取れてしまう場合もあります。ごく稀ですが毛穴

 から細菌が入るってこともあるんですよ。」

と、穏やかに、にこやかに説明されます。

私は、「ええええ。」と思わず声に出しました、主治医の話を聞きながら、「この、穏

やか・にこやか説明が、なかなかのワザなのよねえ。」と納得しました。

 

外から拾ってくるウイルスだけが感染症の原因菌になる訳ではありません。その

辺に存在する普通の菌が、化学療法等で免疫が低下している患者の身体を痛め

つける可能性があるという事がわかりました。

 

 

次の資料は、医師、医療者向けのものだと思いますので、慎重に読み込む必要が

ありました。

〇「目からウロコ!4つのカテゴリーで考えるがんと感染症 癌と感染症の関係(1)(2)」

                     森 信好(聖路加国際病院内科・感染症科医幹)

                       「医学書院 週刊医学界新聞2016年より」

  皮膚や、消化管・気管などの粘膜による防御システム(バリア)の破綻

  好中球減少で、好中球の壁が破綻

  液性免疫の低下

  細胞性免疫の低下

 

※どの免疫が低下しているか、低リスク群と高リスク群を勘案して、どの様な微生

物が感染症を引き起こすかを説明された文章だと思います。

感染症が起こり、どう治療されるのかの概要を掴む事が出来ました。

 

 

外来治療の患者に出来る事は、セルフケアを丁寧に、かつ慎重にを、心掛けて感

染リスクを減らし、「変だなあ(38度越え、悪寒、震え、痛み、発赤など)」と感じたら、

病院で相談という所でしょうか。

感染症をよく知らず怖れるよりも、少しは知ってから怖れたいと思います。

発症率は□%ですよ。極めて稀ですよ。という説明は分かりますが、発症してしま

えば、患者にとっては1分の1(100%)です。

よく知って、正しく心配したい。という所です。

 

 

植え込みの花と実