刃物の良し悪し!!『包丁編』


良い刃物の条件:材料が良い、火造りがしっかりしている、製造がしっかりしている、刃付けがしっかりしている事です。

では 具体的に説明いたしますと。

素材!!

①刃になる材料、鋼材(鋼:ハガネ)が明確に表示,又は分かる事

【鋼付き、割込み材、複合材などと表記されていて、鋼が付いているだけでの表示では、素材が分かりません】

 

刃(鋼材)になる材料は炭素鋼ですが、ピンからキリまでありますので

最低でもSK材(炭素工具鋼)と表示されている物を選びましょう、SK-5とかSK-4と言う表示になります (最近の規格ではSK-85、SK-95と呼びます)

出来ればヤスキ鋼(白紙又は青紙)が良いのですが、かなり価格が高くなり、板前さんの包丁クラスになります。


②火造り(鋼付け、整形)が最適な温度できちっとされている事

刃になる鋼(ハガネ)と形を作っている地金(ジガネ)が決められた温度で、きちっと張り合わせてある事(鍛接)

この温度が高すぎても(鋼が脆くなる)低すぎても(綺麗に地金と接合されない)良い刃物になりません。

出来上がってからでは見分けがつかないからです。


③熱処理!!が出来ている事

焼き入れ、焼き戻しなど「熱処理」がきちっとなされている事

焼き入れ温度を正しく行い、材料に合った鋼の硬度を出している事(耐摩耗性が良くなり、切れ味が長く続きます)

焼き戻し温度や工程を正しく行い、焼き入れ後に硬くなった鋼に粘りを持たせている事(刃が欠けたりまくれたりしない) 


④製造工程!!がしっかりしている

刃物の全体の形が整っている事(歪やムラ、バリがない事、柄がしっかり造られているなど)

製造工程がしっかりしていると表面の仕上や、形がきれいです。安い製品を造る時は出来るだけ時間を掛けない製造工程になり、工程に時間をかけていません。時間=コスト(経費):単価です。



⑤刃付け!!

刃先が丁寧に研磨され、切れる刃になっている事

粗研ぎ~中研ぎ~仕上げ研ぎ~刃付けと順に行って行きます。刃先を光に当てると綺麗な反射線になります。(途切れたり太くなったりしていると均一な刃が付いていません)

均一に良く砥ぎ上がった刃物は刃先を寝かせ爪に当ててみると、何処を当てても刃先が爪にすぐ引っかかります、悪いと刃が爪から滑ってしまいます


①は分かりにくいですが、商品の台紙や取扱説明書などに明記されています。明記されて無ければ【明記できない製品】と理解しても良いと思います。

②③はあまり明記されていませんが、①がしっかり明記されていれば、その製造元は、おおよそきちっとしていると思います。売り場の方に聞くのも良いと思います。

④は買う前に価格のの違う商品を色々見比べると分かります。

⑤はパッケージから出さないとわからない商品もありますが、店員に断わって見るのも良いと思います。

良く砥げている刃物は、刃先がスカットしており、鋼と地金の区別がはっきり見えます。


ちなみに 100円ショップの包丁は購入後、砥石で刃を付け直しますと結構良く切れます。

但し、耐久性が悪く無理な切り方は出来ません。 耐摩耗性も悪くすぐに切れ味が落ちます、再度また刃付けをしないといけません。


どちらを選択するかは用途、頻度、予算の関係ですが、自分に合った刃物を選択して頂ければよいかと思います。