では、先回は裏切れをお話し致しましたので、「裏出し」を行います。
裏切れになった鉋刃(刃先中央の裏が切れています)の裏出しを行います。
準備する道具は、1.金盤(足付 55㎜) 2.金剛砂 3.目振り台(無ければ角床3kg位で代用可能) 4.目振り台を固定する木台(5寸柱の端材で15cm位の物か、重い角材) 5.刃槌15㎜(又は先のとがった金槌で代用可能) 6.刃を抑える板材(巾6cm長さ30cm 厚さ1cm位) 7.金盤を固定する木材(2×4材で代用 長さ40cm位) 8.最後に水を少々
目振り台(写真は木台に打ち付けてあります)と丸型刃槌と目振り台用木台(がっしりした木材で可能)
準備 1.金盤を固定するため、用意した木材に打ち付けます。しっかり止まれば結構
2.目振り台を固定するため、用意した重い木材に、叩いても倒れない様に 1/3位まで強く打ち付けます。
作業 裏切れした鉋刃の表を上に向け、裏面の先端付近を目振り台のR面に置きます。
鉋の刃裏を目振り台の角(カド)に合わせ、接点を刃表の地金部分に合わせ地金を叩き、刃の部分を起こします。
叩いている時の音がカタカタする場合は、接点で叩いていません。コツコツと鈍い音がしている時は上手く叩いている時です。
注意点 刃表の刃の部分で地金と呼ばれている、柔らかい部分の中央付近を、叩いていきます。
先端の刃の部分を叩きますと、刃が割れてしまいますので 要注意!!
しばらく叩きましたら、次は金盤に金剛砂を「小さじ半分くらい」乗せ、水を指先からポトリと3滴位落とします。
鉋刃の裏を下にし、刃押さえ板を上に両手で二つを押さえ、金剛砂を磨りつぶしていきます。
ガリガリと言う音とともに、金盤の全体を使って前後に刃裏を砥いで行きます。この時の刃裏は金盤の表面にピッタリ密着させ研ぎおろします。
飛び出た不要な金剛砂を再使用し、磨りつぶしながら徐々に音がしなくなる迄研ぎます。(金剛砂が擦られて細かくなって来た為です)
そのまま 研磨して行きますと今度は、金盤の表面が乾いてきます、何回か研磨し、完全に金盤が乾燥しましたら、刃裏を一回見てください。鏡面状に光り、裏が出来ていたら完成です。

もし まだ 裏がザラザラして曇っていたら再度 金剛砂を投入し作業のやり直しです。光るまで研磨し続けてください。
まだ 裏(平面)が出来ていなかったら、目振り台で裏出しが足りません、再度叩きなおして作業してください。
鉋刃の裏出し作業の完成です。
さあ 刃を研いで刃付けをしましょう。
見違えるほどに切れ味が向上しているはずです。