優しくツッコんでやるからお前はボケろ!
破格の4億という値段で、僕らは契約を交わし、
小さな小屋からコツコツとはいあがって来た。
ある時は、ネルシャツ愛好家たちの前で漫才。
全裸女性の女体盛りの前で漫才。
宇宙で漫才。
狂言サイボーグこと野村萬斎の家の前で漫才。
五・七・五で漫才。
叩かずかぶらず漫才せず。
迫りくるメガネを割りながら漫才。
四国で数々の賞を頂いた、つるつるしこしこのうどん漫才。
冬にぴったりの道後漫才。
そしてアメリカを制覇したセックスオンザ漫才。
再ブレークを果たしたセックスアンドザ漫才。
太平洋戦争が始まり、僕らはアメリカ人として、
東急ハンズで買ったヅラとつけ鼻でごまかした。
後にレーガン大統領によって暴かれた僕らではあったが、
時事ネタの代表であるウォーターゲート漫才で、
なんとかイギリス行きの切符を手に入れた。
それからの展開は皆様ご存知の通り、
機械の体で不老不死となってしまったのだ。
あれから何年経ったのだろうか…。
そして迎えたM-1グランプリ2010、第3回戦の朝。
僕らは絶望を味わった。
今年は巨人師匠にうけるためだけに作った漫才!
国技館を前に僕らは…。
はにかんだお前の笑顔。
あなたはこんな笑顔で死ねますか?
来年、お前審査員ちゃうかったらパンパンやで!
完
