金属熱処理専門学校     ~t氏先生の部屋~
熱処理を知る者よ来たれ
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転位とは



転位(てんい)とは材料力学の用語で、

結晶中に含まれる、

線結晶欠陥(格子欠陥)のことである。




塑性変形を行うと材料が

硬化しますよね?

または加工硬化など

それはこの転位が原因と考えられています。


この転位の位置が移動したり、

移動できなくなったりして

材料が変形したり硬化したりするみたいです。





”転位”詳細⇒

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/mre/study/content/lat-def/dislocation.htm









ちょっと難しいですが、熱処理の変形の

最終地点は転位であり、

どの講習、講義にでても、どの先生も

必ずと言っていいほど、この転位に触れます(笑)

興味ある方は勉強してみてはどうでしょうか?

高周波焼入れ(JIS記号HQI)


高周波焼入れ
(こうしゅうはやきいれ)
(Induction hardening)




とは、

鋼に高周波の電磁波による電磁誘導を起こし

表面を過熱させて焼入れする熱処理。


金属に銅線を巻きつけてコイル状にし、

電流を流すと電磁誘導による磁力や、渦状の電流が発生する。

この電流は金属表面を流れる。

電流は金属の持つ電気抵抗によりジュール熱を発生する。

これが誘導加熱。

この発生したジュール熱により加熱し、

後冷却することにより焼き入れを行う。

焼入れ後は、150℃~200℃の低温焼戻しを行う。

高周波焼入れはその特性上、

基本的には表面への処理・硬化させる処理(焼き入れ)

であって、内部(全体)まで熱処理をすることは少ない。

流す交流電流の周波数は、1kHz~数MHzまであり、

コイルに流す周波数・電流・時間などは、

希望する硬化深さ、

焼入れする材量の大きさ、抵抗値などによって決める。

熱間ダイス鋼SKD61



熱間ダイス鋼SKD61



大同特殊鋼 DHA1
日立金属 DAC
日本高周波鋼業 KDA1
ウッデホルム ORVAR、DIEVAR  etc...



熱間ダイス鋼SKD61は焼き入れ後、HRC52~54程度です。

焼き戻しは、熱間という位ですので

高温、510℃(550℃)以上の温度で、2回以上戻すのが一般的です。

HRC48付近が多いですかね。

また使用硬度はメーカーにより推奨が有るので注意してください。



温度と硬度は鋼材により多少差がありますが、

510℃~550℃で52~55HRC

560℃~580℃で51~53HRC

590℃で48~51HRC

600℃で46~48HRC

また質量により設定温度や時間が変わる。

多きいものと小さなものでは硬度規格が同じであっても、
設定温度や時間が変わってしまうのです。

冷間鋼SKD11等との違いは、最高使用硬さのほかに

靭性(粘り)が高い、引張強さがあります。

簡単に言うと割れない!!

とにかく割れない(笑)

ハンマーでSKD61のピンを

思いっきり叩いても・・・割れない(笑)

これがSKD61の一番の特性です。


もうひとつは、熱耐性ですね。

焼き戻しの温度以下の温度では変形・変寸が起こりずらい。

これは鋼の常識なのですが、

SKD61系は基本的には戻し温度を高く設定しても

硬度があまり落ちない様になっています。

なので高温で焼き戻しが出来るのです。

つまり、高温で使用するアルミダイカストや鍛造型に

使用されるのです。

他にも細かい特性は有りますが、基本的には

この2点が重要だと思います。


熱間の熱処理技術や鋼材品質向上は金型寿命を伸ばし、

これこそが低コスト、またはこれからの日本の工業会の

一番の課題ではないでしょうか。


トリクロロエチレン



トリクロロエチレン (trichloroethylene) は

有機塩素化合物の一種。

ClCH=CCl2 で表される。




脱脂力に優れ、20年前ほどまでは工業系に広く用いられていた。

しかし発癌性、が指摘された為、代替物質への移行が進んでいる。

また、土壌汚染や地下水汚染を引き起こす原因ともなる。

日本では化学物質審査規制法により、

第二種特定化学物質に指定された。



健康への影響

トリクロロエチレンを含む有機塩素化合物は

自然に分解することがほぼない。

吸入すると、トリクロロエチレンは中枢神経系を抑制する。

症状は急性アルコール中毒に似ていて

頭痛、めまい、錯乱に始まり、

吸入を続けると意識喪失を経て死亡する。

においに対して鼻はすぐに麻痺してしまい、

知らないうちに致命的な量を吸引するおそれがある。

高濃度の蒸気が存在する可能性のある場所では

特に注意しなければならい。


長期的影響はいまだ定められていないが


腎臓がん、生殖機能および発育への障害、神経障害、自己免疫疾患を引き起こす可能性を持つことは研究からもかなり現実味があり、ほぼ間違いないでしょう。


企業としての電気使用量の抑制計画

夏期の需要抑制目標

以下の需要抑制目標に応じて、

ピーク期間・時間帯を中心に

最大使用電力の抑制をお願いします。


(7~9月の平日の9時から20時)

契約電力
①大口需要家(500kW以上):15%

②小口需要家(500kW未満):15%

③家庭:15%    詳しくは経済産業省のHPで



とのことで、あくまで目標ですが弊社でも

ピーク期間・時間帯を避ける取り組みを計画し始めました。

ご参考になればと思います。

弊社は、社員20名程の製造加工業(熱処理)で

②小口需要家(500kW未満):15%

になります。

さて、取り組みなのですが

基本的には熱処理に発生する大部分のコストは

電気です。では、どこに使われているか・・・?

炉の種類にもよりますが、弊社は真空炉が多く

主に、昇温時になります。多くの熱処理会社は同じではないでしょうか?

なので昇温を平日の9時から20時の間はできるだけ避けるというもの。

戻し処理の昇温は1~2時間が一回、1日に10回程度

焼入れ処理の昇温は1~2時間が2回~3回、1日に6回程度

これをずらすのですが・・・これが難しい・・・

基本的には流れが決まっており、長時間間をあけてしまっては

いけないものもあり、出来るだけはずす・・・と、

出来るだけ。位しかできません。

・・・。

これに伴う作業内容の変更や処理種類の削減も・・・


これから色々課題が多そうです(笑)

がんばります。

また、決まったことがあれば発表していきます。



というかこの時間帯での使用電気の抑制は

勤務体制や勤務時間の変更を行わない企業にとっては

かなり難しいと、自分は思います。

15パーセント・・・この値もかなり現実味がない・・・

目標ですから。と言ってしまえば楽ですが、

こんな時なんで目標達成にむけて頑張るつもりです。