志とは? | 覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

覚技(かくぎ)とは、さまざまな心理療法に、武術や音楽やシャーマン的テクニックを取り入れた、こころとからだに目覚めをもたらすトレーニング・メソッドです。

志とは?

前回は「意」という文字が、
「胸中に何事かあり、喉もとがつかえること」という
身体的な状態を表現しているということを知りビックリした、
という話でした。

「意」の一文字だけではあまり使いませんが、
「志」とあわせて「意志」となればよく使う言葉ですよね。

「志」。調べるとこれがまた面白くて(笑)

ということで、漢字語源の旅の続きです。


「志」の上の部分の「士」は、「之」の変形した文字。
「之」はもともとは人間の足の象形文字だそうです。
その意味は「足はひと所に停止する働きを持つけれど、
同時に何かに向かってまっすぐ進む。」というものです。

「士」は「何かを心に記し止める」という意味にも用いるけれど、
多くは「心が何かに向けて直進すること」を意味するそうです。

「志」心がある目的に向かって進むこと。
日本語のココロ(心)+サス(指す)は元の意味を
うまく表しているのですね。

ここのところが興味深かったのですが、
「漢字語源辞典」には孟子の「意をもって志に逆らう」
という例がのっていて、意味は
「腹に一物があるために素志に逆行すること」だそうです。

「意」と「志」は仲良しに見えるのに実は「・・・だった」、みたいな。

このへんは思考と感情を古の中国ではどう捉えていたのか、
丁寧にみていかないといけませんが、興味深いです。

ここに出てくる「素志」ということばは知りませんでした。
パソコンの文字変換でもすぐに出てきたので、
現代でも使っていることばなのですね。
ちょっとお気に入りです(笑)

そこで「素」とはそもそも何なんだと調べてみようと・・・、
いやいや、やばいやばい。キリがなくなる(笑)。

しかし何気につかっている漢字も、
ひとつひとつが深い洞察から生まれているんですね。

                  覚技ワークス主宰 新海正彦