中医学では、肺と大腸は経絡を通じてつながりあっています。

肺経の終点は大腸経の始点となります。臓腑において互いに表裏の関係にあります。

つまり肺と大腸は生理機能と病理変化には密接な関係があります。

 肺の変化は大腸に表れやすく、又、大腸の変化は肺にも表れやすいので治療により影響を与えることができます。

 

例えば肺熱(発熱、咳、黄痰、口渇)がある場合は、大腸の伝導に影響し便秘をもたらし、逆に胃腸の実熱(便秘、腹脹、口舌に瘡ができる)がある場合は、肺の粛降機能が影響し咳や息苦しいを引き起こします。

腸内環境が悪くなると風邪にかかりやすくアレルギー疾患(花粉症、鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹など)を引き起こす原因でもあります。

逆に腸内環境を良くすることで風邪予防やアレルギー疾患の改善にもつながります 。

 

又、肺は皮毛を司るが肌のトラブルは肺ではない大腸の原因の場合もあります。

特に便秘のとき肌荒れが起こりやすいことは経験された方が多いと思います。治療上は肺と大腸の両面から対応するのが必要です。

 

鍼治療は、上記の肺の関連する病気に肺経のツボ(経渠、列欠、尺沢など)をよく使うと同時に

大腸経のツボ(合谷、手三里、曲池など)をよく使われます。

このような考え方は中医学特徴の一つである整体観の現われでもあります。