どんなコーヒーが好きですか?

そう聞かれた時、自分の好みの味わいを答えられますか?





私はコーヒー好きが高じて、コーヒーショップで約15年働いていました。
コーヒーが好きといっても、働き始めた頃はエスプレッソにたっぷりのスチームミルクを注ぎ、フレーバーシロップをトッピングしたものを好んで飲んでいました。

今も、少し疲れた時なんかは、ハチミツをトッピングしたラテ系のコーヒーをいただきます。
一口飲むとほっと、ため息が零れてしまうくらい本当に癒されますよね。

そんな私も今、毎日飲んでいるのはブラックコーヒーなんですよ。
少なくとも朝晩は飲んでいますし、お休みの日は、昼食後も飲んでいます。


ひらめき いつからブラックコーヒーが美味しいと思うようになったのか

私が働いていたお店では、出勤したらまず最初にドリップコーヒーの試飲をします。

毎日飲んでいたら、嫌でも好きになりますよね。いえいえ、それだけではないんです。


お店に並ぶコーヒー豆は約20種類ほどあり、毎日日替わりでドリップしていました。

今までそんなにいろいろな銘柄のコーヒーを飲んだことがなかったので、単純にコーヒーにこんな味の違いがあることに驚きました。

ブラックなのに甘味を感じるものや、フルーティーな感じがするもの、後味にスパイシーな余韻があるもの。

そして20種類の中で、私が一番好きなコーヒー豆はこれだ!というものが見つかりました。

でも、コーヒー豆を購入するとき、毎回お店にある全てのコーヒーを試飲して購入するわけにはいきません。


ひらめき コーヒー豆を選ぶときの4つのポイント

・コーヒー豆の味わい

・コーヒー豆の品種
・産地
・焙煎度合い





コーヒー コーヒーの味わいは

酸味、コク、苦味、甘味、香りの5つの要素で表現されます


まずは、酸味とコクのバランスから、自分好みのおおまかな味わいの方向性を知ることです。

コクはボディーと表現されることが多く、コーヒー豆のパッケージに、酸味とボディ(コク)のインジケータが記載されていたりします。
まずは、好みのバランスを知ることです。

・すっきりした酸味のあるものが好き
・深いコクのあるものが好き
・バランスのとれた飲みやすいコーヒーが好き

自分がどのように感じるか、やはり飲んでみることが一番です。


私はブラックコーヒーの奥深さにひきこまれていきました。
そうして、私は働きだして何年か経ったとき、コーヒーアドバイザーの資格を取りました。
筆記と実地試験、久しぶりの響きです。
一発合格!と言いたいところですが、二度目で合格いたしました。

コーヒーアドバイザーの資格が取れて、お店でコーヒースクールを開催することになり、毎回、たくさんのお客様が参加してくださいました。

スクールに参加されるお客様は、皆さんご自宅でもコーヒーを楽しまれている方が多く、私の話に熱心に耳を傾けてくださいました。

いつも、最初にどんなコーヒーがお好みか伺うのですが、多くの方が「苦くない飲みやすいの」「酸味のないもの」とおっしゃいます。

そして実際、試飲していだくと、意外と自分の好みの味を把握されていないなと、感じることがありました。


コーヒー コーヒー豆には大きく2種類

アラビカ種とロブスタ種があります

スペシャリティコーヒー店ではアラビカ種が並んでいます。
豊かな風味、鮮やかな酸味、それぞれ個性のある豆に奥深さを感じるアラビカ種は、とてもデリケートで栽培が難しく品質が高い故にお値段も高くなります。

一方、ロブスタ種は、栽培に手間がかからないのですが、独特な香りや苦味があり、アクセントとしてブレンドに使われたり、安価なため缶コーヒーやインスタントコーヒーに使われることが多いです。




コーヒー コーヒー豆は産地によっても味わいが異なってきます

厳密には、原産国、さらには農園によっても味わいは異なりますが、まずは大きく分けて、中南米、東南アジア、アフリカの三大陸の特徴を掴んでおくと、豆選びがしやすくなります。


・中南米のコーヒー豆 ブルーマウンテン、ブラジル、コロンビア、グアテマラなど

酸味、コク、苦味のバランスがよく、すっきりとした後味が特徴です。


・東南アジアのコーヒー豆 マンデリン、トラジャ、コピルアック、パプアニューギニアなど

独特の風味があり、酸味が少なくコクのある深い味わいのコーヒーが特徴です。


・アフリカのコーヒー豆 モカ、キリマンジャロ、エチオピア、タンザニア、ケニアなど

華やかな香りやフルーティーな味わい、すっきりした酸味が特徴です。


コーヒースクールでは、この3つの産地のコーヒーを飲み比べます。そして、一番好きなものを選んでいただくのですが、酸味が苦手とおっしゃっていたお客様が一番酸味のあるコーヒーを選ばれていたりします。 

そもそもコーヒー豆は、コーヒーチェリーという果実の種子、つまり果実。
果実の酸味なのです。フルーティーな風味や後味のすっきり感、キレのよさが酸味と表現されているのです。
コーヒー豆を挽いてから、時間が経って酸化した時に感じる嫌な酸味とはまた別なのです。



コーヒー 自家焙煎店で購入する時は、さらに焙煎にも注目

実は、コーヒーの味の決め手となるのが焙煎です。

同じ銘柄のコーヒーでも焙煎度合いで、驚くほど味や香りが変わってきます。

・浅煎りは、苦味が少なく酸味が引き立つ
・深煎りは、苦味とコクが強くなり、酸味が少なく、ミルクを入れて飲む方にもおすすめです。
迷ったら中煎りです。
苦味、酸味、甘味のバランスがよく、後味爽やかです。
ちなみに私は、フルシティロースト(深煎り)のコーヒーが好きです。

🔰自家焙煎店で購入する場合は、焙煎度合いはお店の方に相談することをおすすめします。

 
最後に
豆の挽き方は、基本的には抽出器具に合わせます。
・フレンチプレスで抽出するなら粗挽き
・ネルドリップやサイフォンは中挽き
・ペーパードリップやコーヒーメーカーは中細挽き
ですが、飲んでみて、もう少し濃いめのコーヒーが飲みたいと思ったら、細かめに、もう少しあっさりめのコーヒーが飲みたいと思ったら、粗めに挽いてみるとよいです。

私は自宅に電動ミルがあるので、その日の気分で挽き方を変えて、味わいの変化を楽しんでいます。

コーヒーは、知れば知るほど奥が深く、有名な銘柄だから必ずしも美味しいというわけでもなく、自分がどんなコーヒーを美味しいと感じるのかです。
いろいろ試してみることで、自分好みのコーヒー豆との出会いを楽しんでみてください。