日本が誇る巨匠松本零士を巡る噂話 1 (2006年11月21日)
 つい先日、ケミストリーに曲を提供した作曲&作詞者である槇原敬之氏に対して「銀河鉄道999の作中に出てくる文章を盗用された!」と、物凄い言いがかりで大騒ぎしていた松本零士氏。


 最初は松本氏に対する尊敬もあったのか、穏便にすまそうとした槇原氏サイドだったが、松本氏があまりに強硬な態度に出るものだから堪忍袋の尾が切れ、槇原氏本人が 「そんな主張をするなら裁判で明らかにすればいいだろ!」 とコメントするという事態にまで発展してしまった。


 それにしても松本氏の言い分を聞く限りでは、「そんな事を言ったら文筆家や詩人などは今後どのように活動すればよいのだろうか?」 と思わざるを得ない。


 日本語の50音の組み合わせでなおかつ意味が通るとなるとその数は限られるし、そもそも人が考える ”詩” なんて似通って当然ではないか。


 ついに巨匠松本零士もその程度の事が理解できないほど ”もうろく” してしまったのかと、一ファンとして不安になってしまう。


 だが、松本零士氏には似たような面白い話が他にも色々とあるのだ。


 その中の一つに 「ガンダムという名称を最初に思いついたのは私だ!事件」 という鼻で笑ってしまうような話がある。


 どういう経緯でそんな話になったのかというと、その昔松本零士氏は「惑星ロボ・ダンガードA」 というTVアニメを手がけた事があった。


 その作中に 「宇宙空母ジャスダム」 であるとか 「ジャスダム基地」という名称が出てくるのだが、その名が正式に決定するまでにいくつか候補があったという。


 もう予想がついた方もいると思うが、笑いを堪えてもうしばらくお付き合い願いたい。


 松本零士氏はその 「ダンガードA」 に登場する名称の候補の中に「確かにガンダムという案があった!富野はそれをどこかで知って使ったに違いない!」 と主張したというのである。


 これはとあるアニメ業界の人間に直接聞いた話なのだが、「昔から松本零士氏とはそういう人です。プライドと思い込みの人です。」との事で、マスコミを通じて大々的に騒がれるまでいかずとも、似たような言いがかりをつけられた人間は1人や2人じゃないという。


 例えばあの 『スターウォーズ』 に対しても、松本氏は 「私の影響を受けて出来た作品だ!」 と堂々と公言しており、その理由を聞いたところ 「スターウォーズの初期設定を確認したら、レイア姫がキャプテンハーロックのヒロインにそっくりなんだ!」 と言ってのけ、さらに「ルーカスは一度くらい挨拶に来るべきだ!」 とまで言ったという。


 たまたまヒロインの設定が似ていただけでも、松本先生にすればそれは 「自分の影響を受けた作品」 という事になってしまうらしい。


 まああくまで噂話としておくが、槇原敬之氏には 「本当に災難でした」 としかかける言葉がない。


 それにしてもあれだけ槇原氏に対して強く出たという事は、松本零士作品に出てくる文章や詩などは、完全に松本氏オリジナルの物だけなのだろうか?


 一ファンとして大変興味深い。

 荒井禎雄(おはら汁)

http://www.policejapan.com/contents/syakai/20061121/index.html



日本が誇る巨匠松本零士を巡る噂話 2 (2006年11月28日)
 さて槇原氏への言いがかりで久々に 「ここにあり!」 を示した松本零士氏であるが、氏とパチンコ業界の関係もアレコレと噂話で持ちきりなのである。


 パチンコファンの方なら知っていると思うが、 「CRフィーバー大ヤマト」「CRフィーバー大ヤマト2」「CRフィーバー銀河鉄道物語」という松本零士作品をモチーフにした台がある。


 そしてパチスロでも 「大ヤマトS」 に 「大ヤマト」 の2種類が発表された。


 これらの内、一番最初に発表されたのは 「CRフィーバー大ヤマト」なのだが、これはそもそも松本零士氏とパチンコメーカーとの間に入った人間が持ち掛けた「マルチメディア戦略」 の一環として始まったのだという ”噂” がある。


 いやー ”噂” というのは便利な言葉である。


 『大ヤマト』 の企画を持ち込んだ人間は、松本零士氏に 「TVアニメ化も決まります!またアニメでヤマトブームを巻き起こしましょう!」と美味しい話をちらつかせ、氏をその気にさせたという。


 だが松本零士氏がアレコレと背景や人物設定を考えて、ビジュアル的にも今風にアレンジした 『大ヤマト』を完成させたものの、決定していたはずだったTVアニメ化の話は実現せず、後にDVDとして発売(しかもたった3巻)されただけだったというオチがついた。


 この辺の違和感というのは、実は最初に発表された 「CR大ヤマト」 を遊ぶ事で実感できる。(実際に遊べと言ってる訳ではないが)


 「CR大ヤマト」 で大当たりすると、佐々木功の歌うあの宇宙戦艦ヤマトの主題歌が流れ、登場人物のプロフィールなどが表示される。


 そして大当たりは 『ヤマトは新たな旅に出る!』 というような台詞で〆られる訳だが、そのヤマトの新たな旅を誰も目にしていない訳で。


 パチンコとして作ったにしては妙に作り込まれているので、「ヤマトの新シリーズ始まるの?」 と思った人も多いと思う。


 だが実際は 「アニメ化」 を餌に松本零士氏にノリノリで絵を描かせ、設定を考えさせたものの、パチンコとパチスロになっただけで「本編はDVD買ってください」 で終わってしまったという悲劇(喜劇?)的な結末になってしまったのだ。


 松本零士氏ほどの巨匠になると言い寄ってくる輩も多いとは思うが、ファンの思い出とも言える作品を安易に切り売りして欲しくはないものだ。

 荒井禎雄(おはら汁)

http://www.policejapan.com/contents/syakai/20061128/index.html



日本が誇る巨匠松本零士を巡る噂話 3 (2006年11月29日)
 さて、松本零士を語る上で外せないのが宇宙戦艦ヤマトのプロデューサーだった西崎義展との版権を巡る裁判、通称 『ヤマト裁判』 だろう。


 ちなみにせっかくなので西崎という人物についても説明しておこう。


 西崎とは、一言で言えばアニメ業界の(良くも悪くも)伝説の人物である。


 まず手始めに宇宙戦艦ヤマトを初めとするアニメブームによるバブル時代だった1979年に、2億7,000万円もの脱税が発覚する。


 そして1997年9月には50億円近い負債を抱えて破産宣告されてしまう。(不動産などにつぎ込んだらしい)


 さらには破産宣告の3ヵ月後の1997年12月に【覚せい剤・ヘロイン・大麻】の『麻薬大三元』が発覚して役満…いや逮捕。翌年に一審で2年8ヶ月の懲役という実刑判決を受けるが当然のごとく上告して悪あがきを見せる。


 さらにさらに!破産宣告されてる上に裁判中だというのに自身のクルーザーでクルージングを楽しむという豪気さを見せるが、クルーザーの中に多数の銃器を隠し持っていた事が発覚してまた逮捕される。(拳銃だけでなくM16ライフルやグレネードランチャーまで所持していたそうな)


 この時の西崎の言い訳が 「この海域は海賊が出るから、もしもの時に戦うために持っていたんだ!」だったからたまらない。なんというか常人では理解できない思考の持ち主である事だけは分かる。


 ただこの話には後日談があり、後に本当に西崎の言う海域に海賊が出て日本人のサラリーマンが拉致されるという事件が起こり、西崎を知る人達は「西崎の言ってた事は本当だったのか?!」と青ざめたという心温まる逸話もある。


 話が反れたが西崎伝説はこれだけでは終わらない。


 1999年1月に麻薬所持による懲役が確定して受刑者となったが、その翌月に銃刀法違反や火薬類取り締り法違反や覚せい剤取締り違反で再逮捕。これらに関しても判決を不服として粘りに粘るも、2003年の2月に懲役5年6ヶ月という判決が確定した。


 そんな年中裁判と収監で大急がしな西崎と、松本氏は気の遠くなるような 『ヤマト裁判』 を繰り返したのだ。


 事の起こりは2度目に逮捕された1999年に、西崎がプレステのゲームとして発売された 『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に対し、自身の権利と損害賠償を求めて東北新社やバンダイを提訴した事に始まる。


 その直後に松本氏が「宇宙戦艦ヤマトの著作者はオレだよな?」と西崎を提訴し、泥沼の 『ヤマト裁判』 が本格的にスタートする。


 その翌年の2000年には西崎が松本氏に対して逆に 「宇宙戦艦ヤマトの著作者はオレだろ?」と反訴し、2002年には「宇宙戦艦ヤマトの著作権は西崎にある」というような内容の判決が出てしまい、松本氏は当然のごとく控訴し、西崎も応戦。


 この時ボクらの松本先生は 「西崎は悪魔だ!アイツに味方する連中もゆるさねえ!」 ですとか「オレが居なかったら作品の1コマも存在しねえんだぞ!」 といった大変ハートウォーミングな言葉をマスコミに対して漏らして下さった。


 こうした訳の分からなくなる泥沼裁判が繰り広げられた結果、2003年に西崎と松本氏が法廷外で和解し、翌年2004年には西崎と東北新社・バンダイとの間に西崎の事実上の敗訴とも取れる和解が成立した。


 この数年間に及ぶ魑魅魍魎が跋扈するかのような裁判が 『ヤマト裁判』 なのである。


 という訳で、槇原氏をマスコミを使って批判した松本氏ではあるが、その根幹にはこうした権利を巡る泥沼劇があったという事は頭に入れておいた方がいいかもしれない。


 この辺に関しては 「人に恵まれなかったんですね…」 と松本先生に同情したくなる気がしないでもない。

 荒井禎雄(おはら汁)

http://www.policejapan.com/contents/syakai/20061129/index.html



ずいぶん前の記事みたいなんだけど 今日見つけたもので(笑)


いろいろ言われてますねぇ。


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