20061213-3 ウィニー・厳しい表情の金子被告

有罪判決を受け、支援者が集まる報告会で厳しい表情を見せる「ウィニー」開発者の金子勇被告。京都地裁の氷室真裁判長は罰金150万円(求刑懲役1年)の判決を言い渡した

(13日午前、京都市の京都弁護士会館)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061213-04900676-jijp-soci.view-001


ウィニー開発者に有罪判決 ネットの“天才”有用強調

 ■「時代動いているのに」 

 「こうしている間にも時代は動いている…」。ファイル交換ソフト「ウィニー」を開発したとして、著作権法違反幇助の罪に問われた元東京大大学院助手、金子勇被告(36)被告は13日、京都地裁の判決公判後に記者会見し、自らの立場を強調した。防衛機密や捜査情報の流出が絶えず、社会問題化したウィニー。ネット社会に“革命”をもたらした天才プログラマーに、司法は有罪判決を下した。

 金子被告はこの日、黒いスーツにネクタイ姿で約10人の弁護団を従えて法廷に立った。判決が宣告された直後、傍聴席からは報道陣や支援者が次々と退席。弁護側の主張を退ける理由が読み上げられると、金子被告は首を傾けて納得のいかない様子を見せた。

 閉廷後、開かれた記者会見では用意した文面を淡々と読み上げ、「ウィニーは、将来的に有用な技術であって、将来、その技術は評価していただけると信じている」と強調。その上で、「有用な技術開発を止めてしまう結果になることが何よりも残念。こうしている間にも時代は動いているにもかかわらず。控訴して、技術開発のあり方を世に問うて行きたいと思います」と訴えた。

 さらに、「違法行為をしてはいけないと注意してきた。ではどうすればよかったのか聞かせてほしい」と語気を強め、「(著作権侵害が横行する)結果が悪いから、悪いというのは納得できない」。

 同席した弁護士も「判決では著作権侵害を蔓延(まんえん)させる積極的な意図を明確に否定したが、有罪は解せない」とした上で、「玉虫色の判決だ。控訴して無罪を勝ち取る」と言い切った。

 ■掲示板に批判と支持

 インターネットの世界で爆発的に広がったウィニーに対するユーザーの関心は高く、掲示板サイト「2ちゃんねる」には、判決日が近づくにつれて関連した書き込みが続出。「包丁をつくった職人も捕まるのか」「殺人をすると言っている奴に包丁を渡すのは問題」「核ミサイルはつくること自体が禁止」などと、金子被告への支持と批判が乱れ飛んだ。

 判決の出たこの日は、同地裁の駐車場で、62枚の傍聴券を求めて208人が列に並んだ。大阪府富田林市から傍聴に訪れた会社員、片本亜希さん(25)は「ソフトそのものは非常に便利で、違法な使い方をする人がいるから問題になる」。京都府八幡市の男性会社員(35)は「仕事で著作権を扱っているので、注目していた。ウィニーによる被害は大きいと思っていた」と話した。

 有罪判決が宣告されると、支援者が同地裁内で「不当判決」と書かれた紙を掲げた。支援者の新井俊一さん(28)は「(この判決によって)ソフト開発者を萎縮(いしゅく)させるだろう。映像や音楽の分野で日本は後れをとることになり、残念だ」。

 傍聴に訪れた京都市南区の無職女性(29)は「有罪判決はソフト開発の環境にとっては良くないが、これだけ情報流出の被害が出ているので無罪もおかしい気がする」と困惑の表情だった。

 判決が告げられた10分後には、「2ちゃんねる」上に「有罪」と書き込まれた。約1時間後に書き込みは1000件を突破した。                  

 ■知識の意義 説明する責任

 インターネット総合研究所の藤原洋所長の話 「科学者、技術者には結果責任がある。経済的損失を補うことではなく、知識人として、知識の意義を説明する責任だ。ウィニーについて、分散したデータが自由に交換され、相互接続したネットワークが1つのコンピューターとして機能する点は国際的にも意義のある成果と評価する。だが、著作物が自由に交換され、著作権が守られないという社会的悪影響があった。金子被告はこれをしっかりと説明、注意喚起すべきだった。公害のように技術革新には、ひずみが生じるものだ。判決を機に、新しい研究開発を促進するなかで、知識人としての倫理が呼び起こされることを望む」


 ■金子被告語録

 ウィニーの開発者、金子勇被告の発言を振り返った。

 「暇なんで(使いやすい)ファイル共有ソフトつーのを作ってみるわ。少し待ちなー」(平成14年4月1日、インターネット掲示板で開発宣言)

 「悪貨は良貨を駆逐するっていうのはいつの時代でもそうで悪用できるソフトは宣伝しないでも簡単に広まるね」(8月23日、姉へのメール)

 「著作物を勝手に流通させるのは違法ですので、そこを踏み外さない範囲でテスト参加をお願いします」(10月3日、掲示板の書き込み)

 「ソフト開発が犯罪の幇助(ほうじよ)に当たるという間違った前例がつくられてしまえば、日本のソフト開発者の大きな足かせになる」(16年9月1日の初公判)

 「雑誌で悪用を勧めるような記事があり予想外だった」(18年5月1日の公判での被告人質問)

 「新しい技術を生み、表に出していくことこそがわたしの技術者としての自己表現」(9月4日の最終意見陳述)「ウィニーは将来的には評価される技術だと信じている。今は新しいアイデアを思いついても形にすることすらできない。それが残念」(同)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061213-00000020-san-soci


[特集]Winny事件の衝撃 - ITmedia

事件のあらまし - 金子勇氏を支援する会

コンピュータソフトウェア著作権協会 | 日本音楽著作権協会

著作権 | ウィニーによる情報流出 - Yahoo!トピックス


ウィニー有罪:京都地裁の判決要旨
 京都地裁であったWinny(ウィニー)の著作権法違反ほう助事件の判決要旨は次の通り。


 ◆罪となるべき事実

 金子被告は、ファイル交換ソフト「ウィニー」を制作し、改良を重ねながら、自己のホームページで継続して公開及び配布をした。

 03年9月11日~12日、ウィニーで不特定多数のインターネット利用者にゲームソフトなどを自動送信し得るようにして、ゲームソフトや映画を自動公衆送信し得るようにしたAら、著作権法違反事件を起こした計2人の犯罪行為をほう助した。


 ◆開発、公開の経緯

 金子被告は02年4月、インターネットの大型掲示板「2ちゃんねる」に「2chネラー向きのファイル共有ソフトつーのを作ってみるわ」と書き込み、同年5月、自己のホームページで公開した。同年12月に正式版を公開。03年4月にWinny1・14を公開して、配布をいったん中止。同年5月にWinny2・0β1を公開した。


 ◆ほう助の成否

 金子被告が開発、公開したウィニーがAらに手段を提供して著作権法違反事件を有形的に容易ならしめ、匿名性があることで精神的にも容易ならしめたという客観的側面は明らかだ。

 しかし、ウィニーはセンターサーバーを必要としないP2P技術の一つで多くの分野に応用可能で有意義で、いかなる目的で開発したかにかかわらず、技術それ自体は価値中立的で、無限定なほう助犯の成立範囲の拡大も妥当ではない。

 ほう助行為として違法性を有するかどうかは、その技術の社会における現実の利用状況やそれに対する認識、提供する際の主観的態様いかんによると解するべきである。


 ◆供述の任意、信用性

 捜査機関による威迫や偽計などはないと認められ、金子被告が弁護士に送ったメールでも、あくまで自主的に誓約書を書いたと認めており、捜査段階では複数の弁護士による接見がなされており、手続き的な助言等もされていると考えられることなどから、供述には任意性が認められる。

 供述は、インターネットが普及してコンテンツ提供者側に無断でソフトのコピーがなされている現状では、利用者が提供者に代金を支払う既存のビジネスモデルは矛盾をはらんでいると考えていたこと、(匿名性が特長のファイル交換ソフトの)Freenetの存在を知ってビジネスモデルが変わる契機となるのではないかと考えたこと、匿名性と効率性を兼ね備えたファイル交換ソフトを作り、新しいビジネスモデルにつながればいいと思ったことという点では一貫し、自己のホームページで述べた内容と概ね一致している。

 しかし、京都簡易裁判所での拘置質問などでの発言からすると、著作物の違法コピーをインターネット上にまん延させようと積極的に意図していたとする部分については信用性は認められない。


 ◆主観的態様

 サイト上で違法なファイルのやりとりをしないよう付記していたことや無視フィルター機構があることを考慮しても、金子被告はウィニーが一般の人に広がることを重視し、ファイル交換ソフトがインターネット上において著作権を侵害しながら広く利用されている現状をインターネットなどで十分認識しながら、既存とは異なるビジネスモデルが生まれることも期待しつつウィニーを開発、公開し、これを公然と行えることでもないとの意識を有していたと認められる。03年9月ごろでも同様の認識をしてこれを認容し、開発、公開を行っていた。しかし、著作権侵害がインターネット上にまん延すること自体を積極的に企図したとまでは認められない。

 なお、金子被告は公判廷で、開発、公開は技術的検証が目的で、P2P型大規模BBSの実現を目指したものである旨供述している。公判廷供述はその部分に関して信用できるが、こうした主観的態様と両立しうる。

 インターネット上においてウィニー等のファイル交換ソフトを利用してやりとりがなされるファイルのうちかなりの部分が著作権の対象となり、ウィニーを含むファイル交換ソフトが著作権を侵害する態様で広く利用されている現状を認容。自己のホームページ上に公開し、不特定多数の者が入手できるようにしており、ソフトを公開して不特定多数の者が入手できるように提供した行為は、ほう助を構成する。


 ◆量刑の理由

 金子被告は、社会に生じる弊害を十分知りつつも、自己の欲するまま行為に及び、独善的かつ無責任で非難は免れない。また、Aらが著作権法違反の行為に及ぶ際、ウィニーが重要かつ不可欠な役割を果たし、ウィニーネットワークにデータが流出すれば回収等も著しく困難であること、利用者が相当多数いることなどから、各著作権者の公衆送信権に対して与えた影響も相当大きく、Aらの行為で生じた結果に対する寄与の程度も決して少なくない。

 もっとも、金子被告は、インターネット上の著作物のやりとりに関し、著作権侵害をことさら生じさせることを企図していたわけではなく、著作権制度が維持されるためにはインターネット上における新たなビジネスモデルを構築する必要性、可能性があることを視野に入れ、新しいP2P技術の開発という目的も持ちつつ、開発、公開を行った側面もある。金子被告は経済的利益を得ようとしていたものではなく、実際、直接経済的利益を得たとも認められない。前科前歴もない。有利、不利な事情を総合的に考慮して、罰金刑に処するのが相当である。

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/it/24hour/news/20061214k0000m040001000c.html


総務省

http://www.soumu.go.jp/

情報セキュリティ対策のお願い

http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/security/taisaku/taisaku.html

国民のための情報セキュリティサイト

http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/security/index.htm



この報道を最初に知った時の印象は「判決が中途半端だな」という事

有罪というのであれば 罰金150万なんていうのは甘っちょろいと思う


たくさんのソフトが溢れてる中

そのソフトを有益に使うのはユーザー側の問題で

作った人にが罪を問うのは なーーんか違う気がするのよね


事実 このウィニー問題が大きくなり

「使わないように」と発信し続けていても

一般のところからはもちろん 公的機関からの情報流出は続いている


罪だというのなら 情報流通させた人の責任のあり方も もっと問うべきなんじゃなかろうか・・・


開発者が全然悪くないとは言わないけど

なーーんかこの判決は なんとかして有罪としたいという流れというか

力というかが垣間見られるような気がして


ネットの事なんかなんにも知らないうちの親父は

「たったこれだけの罰金か!?」と熱くなっていたけれど

ウィニーとかミクシィとか 問題発覚のニュースを聞きかじりしてるタイプは

たぶん うちの親父と同じ反応だったりして・・・


いまいち納得できないなぁ

だからどうすれば良いんだと問われても

・・・・・難しい。



過去記事

まだまだ続くウィニー情報流出! (2006-02-28)

ウィニー使ってるなんで恥ずかしくて言えなくない? (2006-03-17)

<ウィニー>開発者、今度は安全に流出させる新ソフトを販売 (2006-03-20)


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