20061127-1

銚子電鉄存続へ「枕木オーナー」

 車両の検査費用捻出のために“自家製ぬれせんべい”の購入をホームページ上で呼び掛けていた銚子電鉄(千葉県銚子市)が、さらなる危機に直面している。踏切や枕木など安全上の不備が見つかり、国土交通省から改善命令が出されたのだ。全国から殺到している“善意のせんべい代”ではまかない切れず、新たに「枕木オーナー制度」などの検討に着手。存続の危機に立ち向かっている。


 「電車運行維持のためにぬれせんべいを買ってください!」。今月15日、銚子電鉄のホームページに悲痛なメッセージが掲載された。目前に迫る車検もできない資金不足。所有する6両のうち4両が稼働しているが、3両の車検は来年4月まで。費用はしめて約1000万円。1両にいたっては期限が12月9日までで、ダイヤの維持に支障を来すピンチに陥った。


 ぬれせんべいは、運賃収入の不振をグッズ販売で補っている銚子電鉄の主力商品。鉄道部の向後(こうご)功作次長(43)は「本来なら電車に乗ってくださいとお願いするべきですが、遠隔地の方にすぐ来ていただくのは困難。急場をしのぐために異例のお願いとなった」と苦渋の表情。


 せんべい作戦は話題を呼び、1日10件以下だったネット注文が26日までで約9000件も殺到。工場の生産が追いつかず最大3カ月待ちの人気。1両分の車検費を用意することができ、向後次長は「目頭が熱くなった」と話す。


 しかし、喜びもつかの間。国土交通省関東運輸局から25日付で、鉄道事業の改善命令が発せられた。電車の通過中に上がってしまう踏切の遮断機や、線路の枕木の腐食や破損が20カ所以上も見つかったのだ。2カ月以内に改善が認められない場合には、運行停止処分が下される可能性もある。


 問題の遮断機をただちに補修したが、総点検を行うと今度は亀裂の入ったレールが発見された。鉄板で左右から挟み、ボルトで締める応急処置が施されたが、電車の運行は2時間中断された。各所の補修に掛かる費用は調査中。車検費用の捻出が見えてきただけに、関係者のショックは大きい。向後次長は「一番大事な安全にかかわる問題。速やかに対応したい」としている。


 小川文雄社長(67)によると、前社長の不祥事などで支給が停止されていた国などからの補助金が受けられるメドが立ったというが、確定はしていない。こうしたことから、銚子電鉄では「枕木オーナー制度」なども検討中。枕木を買ってもらい、自由に文字などを書き込めるもので、結婚などの記念や、広告などに利用できるものだ。


 しかし、せんべいも枕木オーナー制度も補助金も鉄道本体の経営を好転させるものではない。「副収入に頼るだけでなく、鉄道本体で抜本的な対策をしないと…」。向後次長がまた頭を抱えた。

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2006/11/27/01.html


銚子電鉄の頼みは「ぬれ煎餅」前社長1億超横領で火の車
本末転倒解消へ、鉄道マン軌道外れて奔走中

 80年以上の歴史を持つレトロ調の電車が、電車マニアに人気のローカル私鉄、銚子電気鉄道(千葉県銚子市)-。その“銚電”が今、存亡の危機を迎えている。懸命の努力も、元最高幹部の横領でパーに。そこで全国区になった副業の“ぬれ煎餅(せんべい)”に、活路を見いだそうと呼びかけているのだが、本格的な経営再建にはなお数万枚の煎餅を売らなければならないという。


 銚子電鉄はJR総武線銚子駅から外川駅まで続く6.4キロ。大正12年の開業から80年以上、地元民の足として親しまれてきた。だが、年間乗客数は減少の一途で、「平成10年の83万6000人から、昨年は65万4000人に減った」(同社)という。


 企業努力を怠ってきたわけではない。NHK朝の連ドラ「澪つくし」(昭和60年・沢口靖子さん主演)にちなんだ「澪つくし号」を製作したり、平成6年にはテレビ番組の企画で山田邦子さん、トミーズ雅さんらが車両デザインを手がけたりと、マスコミにもしばしば取り上げられた。再建に向けた努力も続けていたが、経営は好転しなかった。


 追い打ちをかけたのが8月の前社長の横領。前社長は銚子電鉄名義で1億1000万円もの借金を重ね、業務上横領で逮捕された。銚子電鉄はこの莫大(ばくだい)な借金も背負う羽目になったのだ。


 「老朽化した鉄道車両の車検費用を捻出(ねんしゅつ)できないほど」(向後功作鉄道部次長)。銚子は「日本一早い初日の出」で知られるが、正月はかき入れ時だけに運行ができないのは致命傷となる。


 銚子電鉄公式HPでは≪電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです≫と必死のお願い。さらに、銚子電鉄が副業としている「ぬれ煎餅」の購買を呼びかけたところ、「注文の電話が鳴りっぱなし」(同)と凄まじい反響だという。


 しかし、煎餅を売るだけで修理代が賄えるのか。


 「うちではぬれ煎餅のほかタイ焼きや“デンデン酒”という地酒などの販売も行っているが、この事業の売り上げが年間2億あまり。鉄道事業が1億1400万円だから、実に2倍の売り上げがある」(向後次長)と、まさに“ぬれ手に粟”らしい。今では「鉄道事業の赤字を煎餅などの関連事業の黒字で補填している」(同)ほどだ。


 ぬれ煎餅は、同社と醤油の「ヤマサ」が業務提携し、特注タレで作っている。独特の食感とよく染みこんだ醤油の風味が人気で、東京八重洲の名店街や千葉県内のキヨスクにも置かれているが、「来年にはさらに2両の車検が必要となる。費用捻出のためには、あと約4000枚の煎餅を売らなければならない」(同)とか。ちなみに1枚80円。


 煎餅販売に一丸となり奔走する銚子電鉄社員たち…。だが別れ際に「あくまでも鉄道を残すための煎餅。煎餅電車と言われるのは不本意」と“鉄道マン”の本音も見せた。


 【泣きっ面に蜂…枕木腐食などで業務改善命令】


  関東運輸局が24日、銚子電鉄に対し、10月の保安監査で枕木の腐食などがあったとして、安全確保に関する事業改善命令を出したことが分かった。ますます修理代がかさむこと必至だ。


 10月の保安監査では、枕木の腐食や折損、路盤内への沈下、閃光灯など踏み切り保安装置の脱落や腐食、列車の通過中に遮断機が上がるなどの問題点があったという。命令により、2カ月以内に改善して報告が義務付けられた。
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_11/t2006112721.html


潮風とロマンのふるさと銚子電気鉄道 - http://www.choshi-dentetsu.jp/



いやいや・・・頑張っても頑張ってもだねぇ

横領された一部でも 早期に返してもらうとか出来ないもんなのかね


枕木オーナーはいい案かもだけど

抜本的な問題だしね・・・大変だぁ。



過去記事

≪銚子電鉄≫「ぬれ煎餅買って」 貧乏電鉄会社の悲痛 (2006-11-21)


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