エレベーター事故 9基で制御プログラムミス シ社が発表
制御盤ソフトウエアの不良があるとシンドラー社から報告を受け、使用禁止となったエレベーター
=東京都豊島区東池袋の豊島消防署
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060617-00000004-maip-soci.view-000
東京都港区のマンションで都立高2年、市川大輔(ひろすけ)君(16)がエレベーターに挟まれて死亡した事故に絡み、製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)は16日、国内のエレベーター9基の制御プログラムにミスがあり、操作によって扉が開いたまま昇降する欠陥があることを明らかにした。この欠陥は、93年に発覚していたが、再設定するなどのずさんな作業で設置されたままだった。
死亡事故のエレベーターに、このプログラムは使われていないため、同社は「死亡事故との関係はない」と否定している。欠陥のある9基はすべて17日にまでに改修するという。
問題があったのは同社が国内で91~93年に製造したもので、この間、同一の制御プログラムを搭載した49基を出荷したが、扉が開いたまま「かご」が昇降する欠陥が一部で起きていることが93年に分かった。
欠陥は、扉が閉まった瞬間から0.25秒以内に「開」ボタンを押した場合、扉が開いた状態でかごが昇降を始める。モーターに作動指令の電気信号を誤って伝えるプログラムミスで、93年中に49基すべてを正常なプログラムへ交換した。
ところが同社は、49基のうち東京都八王子市、豊島区、名古屋市、静岡県沼津市にある計6基で、その後に行った別の修理の際にミスのあるプログラムを誤って再設定。49基とは別に、千葉県浦安市と神奈川県相模原市の計3基は、93年にプログラムミスのまま誤って出荷した。
ミスのあった9基のうち、八王子市、名古屋市、浦安市では、実際にエレベーターの扉が開いたまま昇降するトラブルが既に判明。また同社はこれら3カ所の設置時期を96~97年と発表していたが、93年に訂正した。
同社はこれまで「製造や設計が原因になった死亡事故は過去に1件もない」との見解を示し、トラブルは保守点検の問題としていた。この日会見した同社新設事業本部の西村智行本部長は「プログラムの管理方法を改めて検討したい」と話した。【長谷川豊】
◇制御盤ソフトの異常が明らかになったエレベーターは以下の通り。(カッコ内は据え付け時期)
千葉県浦安市の都市再生機構賃貸住宅(93年)2基▽東京都八王子市の芸術文化会館(同)1基▽名古屋市の白壁庁舎(同)2基▽神奈川県相模原市の外務省研修所(同)1基▽東京都豊島区の豊島消防署(92年)2基▽静岡県沼津市の沼津立体駐車場(91年)1基
◇欠陥製品、揺れる信頼関係
シンドラー社製のエレベーターの一部に、プログラムミスで誤作動するものがあったことは、メーカーに対する信頼性を大きく揺さぶるものだ。いまだ、死亡事故との関連は分からないものの、同社は「構造や設計の問題で死亡事故に至ったことは1件もない」などと安全性を強調していただけに失望する。
特に、今回の欠陥は、93年に発覚し、改善していたものの、再度、ミス設定してしまったり、ミスのまま出荷したずさんな管理が原因だった。シンドラーグループのスイス本部の事業責任者は12日の記者会見で「ドアが開いたまま動くケースは、設置とメンテナンスの際の事故の部類」とメーカー責任を否定していたが、自らのメンテナンスを猛省してほしい。
シンドラー社は死亡事故を起こしたエレベーターについて、「今回発覚したミスプログラムのものとはタイプが違う」と説明している。確かに、死亡事故は保守点検の問題が大きな焦点になっているが、エレベーターへの不信感、不安感が増したのは、同社の対応のまずさだ。
ただ、シンドラー社だけがトラブルが多いのか、国土交通省さえ把握できていないのも実態だ。同省は全メーカーの調査を通じて、安全を確保する対策を講じるべきだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060617-00000004-maip-soci
欠陥プログラム、シンドラー社が部品交換…愛知県庁舎
名古屋市東区の愛知県白壁庁舎で17日、制御盤に欠陥プログラムを搭載していたことが判明した「シンドラーエレベータ」社製のエレベーター2基で制御盤の部品を交換する作業が行われた。
庁舎にある3基のうち職員・来客用の1基と荷物用の1基で午前10時過ぎから、シンドラー社の社員2人が県職員立ち会いのもと、屋上の機械室に入り、正常な部品と交換した。うち1基では2004年11月29日、扉が開いたまま降下するトラブルが起きている。この2基は欠陥が判明した16日午後から、使用が停止されていた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060617i103.htm
エレベーター欠陥・改修で初の実態調査へ…国交省
東京都港区で高校生が死亡する事故を起こしたエレベーターの製造元「シンドラーエレベータ」社製のエレベーターで深刻な欠陥が見つかったことを受け、国土交通省は、他の国内大手メーカーからも事情聴取するなど、エレベーターの欠陥・改修などについて初の実態調査に乗り出す方針を固めた。
エレベーターには、自動車のリコールのような欠陥情報を届け出る制度がなく、シンドラー社も欠陥や改修を公表してこなかったため、国交省もトラブルを把握していなかった。同省では調査結果を踏まえ、トラブル・欠陥情報の集約システム作りを検討する。
シンドラー社が公表したのは、1991~93年に設置した52基分の制御プログラムの欠陥。ドアが開いたまま昇降する恐れがあるという、港区の事故機で起きたトラブルと似た深刻な不具合だった。
同社はこの欠陥に93年に気づき、改修していたが、当時の建設省(現国交省)に報告されておらず、所有者に正しい情報が伝わったかも明らかではない。
その背景には、エレベーターの欠陥情報に関する制度不備がある。
自動車の場合、欠陥があれば国交省に届け出を義務づけるリコール制度があり、行政は欠陥情報を蓄積してユーザーにも公開される。怠れば罰則もある。しかし、エレベーターには、欠陥情報を集めて公開する仕組みはない。
港区の事故を受け、国交相の諮問機関「社会資本整備審議会」の建築物等事故・災害対策部会が15日に開いた臨時会合では、学識経験者の委員から「自動車のリコールのようにエレベーターの不具合が公表されたケースはないのか」と質問が出た。これに対し、業界団体「日本エレベータ協会」は、「そうしたケースはない」と回答していた。
同協会によると、世界的には20%のシェア(市場占有率)を誇るシンドラー社も日本国内の新規設置分のシェアはわずか1%。三菱電機、日立製作所など大手5社が全体の9割以上を占めている。
国交省では大手5社などがエレベーターの心臓部である制御装置などの不具合をどのように処置しているか、初めて実態調査に乗り出すとともに、安全にかかわる欠陥の情報開示や、事故につながるようなトラブルの情報を集積する仕組み作りを急ぐ方針だ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060617it05.htm
やっぱりプログラムにミスがあったんじゃん!
でもまだ言い訳がましい事を言ってる この会社っていったいなんなんだ?
国交省も対応遅い気もするけど これからでも情報を集めて 安全対策に役立てられるようにして欲しいものです。
過去記事
≪エレベーター事故≫エレベーター突然上昇、高2男子挟まれ死亡
≪エレベーター事故≫シンドラーエレベータ全国でトラブル三十数件、家宅捜査
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