颯人は正月の2日帰省した。
その間私は一人アパートで過ごした。
颯人は会社の始まる前日にアパートに帰って来た。
「実家どうだった?」
「ん。。。特に変わりはなかったよ。。。
あ!お袋がさ。。。もう、転移してて、歩くのも辛そうだったわ。。。」
颯人のお母さん、数年前に癌を患って入退院を繰り返してた。
この時も、数ヶ月前に転移がみられるからって入院して手術。
だけど、開けてみると、もう手の付けられないほどだったらしく。。。。
そのまま閉じてしまったらしい。。。。。
「お母さんそんなに悪いの?!」
「ん。。。。本人は大丈夫って言ってるけど、歩けば痛いみたいだけし。
今回ちょっと小遣いあげたら、泣いてさ。。。。
『お前が小遣いくれるなんて、お母さんもう長くないんだね。。。』
なんて言われたよ。」
そんなに体調悪いなら、尚更一緒に行って挨拶した方が良かったんじゃないの?
そう思ったけど、後の祭り。
「咲ちゃん、挨拶は今度の帰省の時でいいよ。
今度はお盆に帰るから、その時ね!」
そう言われたら、もう何も言えなかった。