話が前後するけど、父の癌が分かったのは、
退職を半年後に控えた時だった。
その5年程前、たまたま入った人間ドックで、首の腫瘍が発見された。
すぐに摘出されて、細胞の検査をしたが「良性」と言われた。
父は「なんだか物が飲み込みにくいな。。。」程度の自覚症状があったらしい。
その後、その病院に通院して居た訳だけど。
術後3年後くらいに父が
「この辺りが突っ張ったような感じがして。。。」
と言っても
「多分術後だから、まだ以前のように皮膚が再生してないだけですよ」
と言われていたらしい。
父も先生の言葉を信じて疑わなかった。
が、どうもおかしい。。。
結局腫瘍が大きくなって来たので、また手術をする事になった。
それが定年半年前のことだった。
主治医の話では
「手術して、1ヶ月も入院すれば退院できる」
と言われ、その予定で入院。
私も仕事が休みの時は、早く終わった時は病院に顔を出した。
「退職したら、毎日自分のしたい事だけをする為に
元気にならんといかんな!」
そう言っていた。
入院してすぐに、腫瘍摘出の手術が行われた。
前回と同じように、細胞の検査をした。
「悪性でした」
私の頭は真っ白になった。