颯人が帰ってくると聞いた私は、毎日帰ってくる日を心待ちにしていた。
毎日の電話も欠かさず、たわいのない話をしていた。
帰ってくるまでの数日間の電話で、颯人の口調も以前のように戻っていった。
私が吹っ切れるまで。。。。。そんな約束をしていたのに。。。。。
私は吹っ切れるどころか颯人を手放したくない思いを強めていた。
そんな思いの中、気になる事があった。
颯人の借金だ
私に対しての借金ではなく、消費者金融からの借り入れの方。
一体いくら借りてるんだろう??
ずっと気になっていた事だった。
「あのさ?ちょっと聞きたいことがあるんだけど。。。。。」
「なに?」
「颯人さ、お金借りてるって言ってたじゃん?」
「ああ。。。それが何?」
「一体いくら借りてるのかな??って思ってさ」
「あ~。。。今は1社しか借りてないよ?
金額は50万にちょっと足りないくらいかな?」
「そっか。。。。今は1社って事は前も借りてたの??」
「半年くらい前かな?離婚した後に子供引き取ってたじゃん?
で、保育料とか高くてさ。
俺シフト制だったから、深夜の勤務とかもあったから。。。。
それで借りたのが始まりだったんだよな。。。
でも、こっちに帰って来た時に、親が全部返済してくれたよ。」
「ってことは、返済した後に、また借りたって事?」
「うん。初めは仕事してなかったし。家賃やら色々支払いがあって、また借りた」
「じゃあ、今も支払いはしてるんだ?」
「少しだけどしてるよ」
「帰って来て、すぐに仕事見つかったとしても給料は1ヵ月後からだよね?
じゃあ、その間どうするつもり??」
「まあ、当面は借金から抜け出せないかもな。。。。」
「じゃあ、一つ提案なんだけど。。。。
私、夜バイト探すから、一緒に返済していなかない?
その方が早く返せるし、颯人も少しは楽になるでしょ?」
「えっ?俺は咲ちゃんがそう言ってくれるのは嬉しいけど。。。。
咲ちゃんはそれで良いの?」
「私はこの前も言ったけど、颯人の為なら何でもするって言ったじゃん!
だから私は大丈夫だって!」
「ありがと。じゃあ、一緒に頑張ろうな!」
こうして私は夜のバイト始めることになった。