その日は金曜日だった。
毎週末、私が颯人の赴任先に行く予定になっていた。
その週末も、仕事終わりに赴任先に行く準備をしていた。
普通に仕事をしてたら、会社に電話が掛かってきた。
出てみると、颯人だった。
「なにかあった?」
「お袋が亡くなったって連絡が来た。これから実家に帰るから。。。」
「えっ??・・・・・分かった。気をつけてね」
義母さんが亡くなった??
確かに長くは生きられないって言われてたけど。。。
あまりにも急すぎて、頭が真っ白になった。
颯人はカレンちゃんを連れて行くと言う。
義母さんにとっては孫。
仕方ない。。。。。
迎えに行くために私の車を貸して欲しいと颯人は言った。
丁度私の仕事が終わるころ、カレンちゃんを乗せた車が来た。
私はカレンちゃんに見つからないよう、物陰から見ていた。
久しぶりに見たカレンちゃんは可愛くなっていた。
カレンちゃんの成長振りから、颯人との付き合いの長さが分かる。
そのまま颯人はカレンちゃんと一緒に葬儀に向かった。
こんなに早く亡くなるなら、やっぱり挨拶に行っておけば良かった。
後悔しても時すでに遅し。。。
義母さんに結婚したいと報告した2ヵ月後くらいから、ずっと入院したままだった。
退院したら。。。。
そう思っていたのに。。。
あの時、無理やりにでも一緒に行けば良かった。
そんな事ばかり考えていた。