オセロをしていると、とてつもなく悔しい状態に陥ることがある。
それが打てる所がなくなった状態だ。
いわゆる詰んだ状態である。
もう少し、平たくいうと、詰みとは、隅をとられるような星打ちやC打ち以外に打てる場所がなくなった状態である。
どこに打ってもゆくゆくは隅をとられてしまう、ということである。
![囲い厨のブログ](https://stat.ameba.jp/user_images/20110614/10/kakoikakoi/d0/71/p/t02200220_0300030011289855997.png?caw=800)
図1 黒番
上の図を見て欲しい。
黒番ではあるが、白の打てる場所を数えて欲しい。
おわかりだろうか?
白の打てる箇所は0箇所である。
黒は余裕のB6。
![囲い厨のブログ](https://stat.ameba.jp/user_images/20110614/10/kakoikakoi/4a/c4/p/t02200220_0300030011289855999.png?caw=800)
図2 白番
白「わーい、黒にピュアウイングをとらせたぞ!」
などと喜んでいる場合ではない。
この局面、C6のボックスコーナーが白のため、ピュアウイングの弱点であるB7への星打ちができないのだ。
白「え・・・?」
白の打てる箇所は一箇所のみ……、A7だけ……!!
これがいわゆる詰んだ状態である。
ざわ……ざわ……。
図4 白番
白は再び打てる箇所はB2の一箇所のみ。
これにより、黒はゆくゆくA1も打てることになる。
黒必勝の局面である。
オセロでは手数が重要である!(特に序盤・中盤)
このことは再三述べてきた。
手数=打てる箇所の数である。
上の図で、白が詰んでしまったのは、他に打てる箇所がなくなってしまったからに他ならない。
今回は、序盤・中盤で詰まれてしまうのを防ぐため、辺を使って、手数を稼ぐ方法を伝授するぞ!
まず始めに「手数を稼ぐ」とはどういうことか、簡単に定義したい。
こちらが安全な手を打っている間に、相手に他の場所に打たせて、こちらの打てる所を増やす。
ということにしておく。
さらにわかりやすく踏み込んで、今回は、
こちらが辺に打っている間に、相手に辺以外の場所に打たせて、手数を稼ぐ方法を考えていこう。
![囲い厨のブログ-手数1](https://stat.ameba.jp/user_images/20110615/12/kakoikakoi/af/0b/p/t02200220_0300030011291886823.png?caw=800)
図5 黒番
さて、上の図、左から下にかけて黒壁ができていて、黒が非常に苦しい状態である。
黒番ではあるが、相手に手番を渡したいぐらいである。
なぜなら、相手が打ってくれれば、その近辺に黒の打てる場所が増えるからである。
上の局面で、もし白がB6などと打つと、下が大きく白壁になり、形勢が180度変わって黒圧勝の気配である。
むろん、打てる箇所がある限り、黒はどこかに打たなければならない。
なんとか安全な手を打ちながら、相手に手番を渡したい。
これが手数を稼ぐということである。
さて、上の辺を使って、手数を稼ぐにはどうすればいいのだろうか?
シンキングタイム!
チックッタック……チックッタック……
ピコーン!
![囲い厨のブログ-手数正解](https://stat.ameba.jp/user_images/20110615/12/kakoikakoi/1e/67/p/t02200220_0300030011291886828.png?caw=800)
図6 白番
正解はG1である。
次に、白から上の辺に打てるところはない。
よって他の場所に打たざるをえず、それにより、新たに黒が打てる場所が増えるというわけである。
苦しいながら、この手によりぎりぎり生き延びる手だ。
失敗例も見てみよう。
![囲い厨のブログ-手数ミス1](https://stat.ameba.jp/user_images/20110615/12/kakoikakoi/c4/27/p/t02200220_0300030011291886833.png?caw=800)
図7 白番
黒G1ではなく、F1と打った手だ。
![囲い厨のブログ-手数ミス2](https://stat.ameba.jp/user_images/20110615/12/kakoikakoi/34/f1/p/t02200220_0300030011291886834.png?caw=800)
それに対して、白は自然とG1をとる。
そして、黒の番である。
打てる場所はB2とG7の星(X)打ちしかない。
先ほどと比べて、圧倒的に苦しくなっていることを理解していただけただろうか?
図5の局面から、黒が上辺に1手打ったのに対して、白は上辺に2手も打っている。
これ白に1手手数を稼がれたわけで、手数(打てる箇所)に余裕があるときならまだしも、手数がなくなっている状況では、打ってはいけない手だったのである。
図6では、黒が上辺に1手打ったのに対して、白は上辺に0手である。
よって黒が一手得する手だったのだ。
図8の場面、黒番だがどこにも打ちたくない。
パスしたいぐらいである。
なんなら、白に三連打でも四連打でもして欲しいぐらいである。
そこで図8の局面になる前に、図5の段階でパスすればいいのだ。
こちらは安全な手を打ちつつ、相手に「手番を渡す」G1を打つのである。
オセロが将棋などと違うのは、打てば打つほど損になる場合があるということである。
オセロで重要なのは、打てる箇所の数であるといったが、一手打つというのは、単純計算すれば、打てる箇所を一手減らすということに他ならない。打つたびに損をするのである。
だからこそ、種石を作って打てる場所を増やす手を打ったり、相手の打てる場所を消す手を打ったり、工夫して打つことが重要になってくる。
こちらの手は増やしながら、相手の手は減らしながら打つのである。
ちなみに辺をとりすぎると、終盤の負担になる。
辺は攻められる標的になるというのは以前に述べた。
「辺をとって手数を稼ぐか、辺をとらずに終盤の負担を軽くするか」でオセラーは永遠に悩むのである。
逆にいうと、「手数で損しながら辺をとるのは最悪」の手ということになる。
辺のとりすぎは注意である。
かといってとらなすぎても、序盤中盤で詰まれる原因にもなるので注意である。
要は、自分と相手の残りの手数を数えながら、辺をとるか否かの判断をすべきである。
こちらが詰まれる場合だけではなく、逆に相手の手数がなくなった時にうまく辺をとることで、相手を積むこともできる。
![囲い厨のブログ-手数2](https://stat.ameba.jp/user_images/20110615/13/kakoikakoi/d8/ac/p/t02200220_0300030011291944833.png?caw=800)
図9 黒番
先ほどとは変わって、黒優勢の局面である。
白は打ちたい場所がない状況である。
この局面で、手番を相手に渡すことができれば、白は詰みである。
もうおわかりであろう。
![囲い厨のブログ-手数2正解](https://stat.ameba.jp/user_images/20110615/13/kakoikakoi/2a/0b/p/t02200220_0300030011291944834.png?caw=800)
図10 白番
正解はG1.
これによって、白はどこに打っても隅をとられてしまうことになる。
![囲い厨のブログ-手数2ミス1](https://stat.ameba.jp/user_images/20110615/13/kakoikakoi/4a/9d/p/t02200220_0300030011291944835.png?caw=800)
図11 黒番
失敗例を見てみよう。
図9から、黒F1ととって、白G1ととった局面である。
黒は白をしとめそこなった挙句、下の白壁を割るはめになる。
![囲い厨のブログ-手数2ミス2](https://stat.ameba.jp/user_images/20110615/13/kakoikakoi/d4/0a/p/t02200220_0300030011291944839.png?caw=800)
黒C7.これによって、白は下辺に打てる場所が増えた。
苦しいながらもなんとか生き延び、勝負は最終盤までもつれこみそうな気配である。
このように辺をうまく利用すれば、九死に一生を得て生き延びたり、手数のなくなった相手にとどめを刺すことも可能になるのだ。
練習問題
1.左辺で手数を稼いで、白を詰めろ!
図14 黒番
この辺3個に中辺3個がのっているパターンもよく使えるので、覚えておきたい手筋だ!
このままでは白は打てる所がない。このまま白番になってもパスされて、再び黒番になる。
そこで、白が打てる場所(具体的には星打ちさせる)を作りつつ、相手に手番を渡すのだ。
諸君の優秀な頭脳を使って、じっくりと考えてみてくれたまえ!
それでは、本日はここまで!