オセロをしていると、とてつもなく悔しい状態に陥ることがある。

 それが打てる所がなくなった状態だ。

 いわゆる詰んだ状態である。

 もう少し、平たくいうと、詰みとは、隅をとられるような星打ちやC打ち以外に打てる場所がなくなった状態である。

 どこに打ってもゆくゆくは隅をとられてしまう、ということである。

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図1 黒番

 上の図を見て欲しい。
 黒番ではあるが、白の打てる場所を数えて欲しい。
 おわかりだろうか?

 白の打てる箇所は0箇所である。

 黒は余裕のB6。

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図2 白番

 白「わーい、黒にピュアウイングをとらせたぞ!」

 などと喜んでいる場合ではない。
 この局面、C6のボックスコーナーが白のため、ピュアウイングの弱点であるB7への星打ちができないのだ。

 白「え・・・?」
 
 白の打てる箇所は一箇所のみ……、A7だけ……!!
 これがいわゆる詰んだ状態である。

 ざわ……ざわ……。

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図3 黒番

 白「オワタ\(^o^)/」

 黒「ククク……楽々と隅をとる!(A8)」

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図4 白番

 白は再び打てる箇所はB2の一箇所のみ。
 これにより、黒はゆくゆくA1も打てることになる。
 黒必勝の局面である。

 オセロでは手数が重要である!(特に序盤・中盤)

 このことは再三述べてきた。
 手数=打てる箇所の数である。
 上の図で、白が詰んでしまったのは、他に打てる箇所がなくなってしまったからに他ならない。

 今回は、序盤・中盤で詰まれてしまうのを防ぐため、辺を使って、手数を稼ぐ方法を伝授するぞ!

 まず始めに「手数を稼ぐ」とはどういうことか、簡単に定義したい。

 こちらが安全な手を打っている間に、相手に他の場所に打たせて、こちらの打てる所を増やす。
 
 ということにしておく。

 さらにわかりやすく踏み込んで、今回は、

 こちらが辺に打っている間に、相手に辺以外の場所に打たせて、手数を稼ぐ方法を考えていこう。



囲い厨のブログ-手数1
図5 黒番

 さて、上の図、左から下にかけて黒壁ができていて、黒が非常に苦しい状態である。

 黒番ではあるが、相手に手番を渡したいぐらいである。
 なぜなら、相手が打ってくれれば、その近辺に黒の打てる場所が増えるからである。

 上の局面で、もし白がB6などと打つと、下が大きく白壁になり、形勢が180度変わって黒圧勝の気配である。

 むろん、打てる箇所がある限り、黒はどこかに打たなければならない。

 なんとか安全な手を打ちながら、相手に手番を渡したい。

 これが手数を稼ぐということである。

 さて、上の辺を使って、手数を稼ぐにはどうすればいいのだろうか?

 シンキングタイム!



 チックッタック……チックッタック……



 ピコーン!

囲い厨のブログ-手数正解
図6 白番

 正解はG1である。
 次に、白から上の辺に打てるところはない。
 よって他の場所に打たざるをえず、それにより、新たに黒が打てる場所が増えるというわけである。

 苦しいながら、この手によりぎりぎり生き延びる手だ。 
 失敗例も見てみよう。

囲い厨のブログ-手数ミス1
図7 白番

 黒G1ではなく、F1と打った手だ。
 

囲い厨のブログ-手数ミス2
図8 黒番

 それに対して、白は自然とG1をとる。
 そして、黒の番である。
 打てる場所はB2とG7の星(X)打ちしかない。

 先ほどと比べて、圧倒的に苦しくなっていることを理解していただけただろうか?

 図5の局面から、黒が上辺に1手打ったのに対して、白は上辺に2手も打っている。

 これ白に1手手数を稼がれたわけで、手数(打てる箇所)に余裕があるときならまだしも、手数がなくなっている状況では、打ってはいけない手だったのである。

 図6では、黒が上辺に1手打ったのに対して、白は上辺に0手である。
 よって黒が一手得する手だったのだ。


 図8の場面、黒番だがどこにも打ちたくない。
 パスしたいぐらいである。
 なんなら、白に三連打でも四連打でもして欲しいぐらいである。

 そこで図8の局面になる前に、図5の段階でパス
すればいいのだ。

 こちらは安全な手を打ちつつ、相手に「手番を渡す」G1を打つのである。

 オセロが将棋などと違うのは、打てば打つほど損になる場合があるということである。
 
 オセロで重要なのは、打てる箇所の数であるといったが、一手打つというのは、単純計算すれば、打てる箇所を一手減らすということに他ならない。打つたびに損をするのである。

 だからこそ、種石を作って打てる場所を増やす手を打ったり、相手の打てる場所を消す手を打ったり、工夫して打つことが重要になってくる。

 こちらの手は増やしながら、相手の手は減らしながら打つのである。 
 

 ちなみに辺をとりすぎると、終盤の負担になる。
 辺は攻められる標的になるというのは以前に述べた。

 「辺をとって手数を稼ぐか、辺をとらずに終盤の負担を軽くするか」でオセラーは永遠に悩むのである。

 逆にいうと、「手数で損しながら辺をとるのは最悪」の手ということになる。

 辺のとりすぎは注意である。
 かといってとらなすぎても、序盤中盤で詰まれる原因にもなるので注意である。

 要は、自分と相手の残りの手数を数えながら、辺をとるか否かの判断をすべきである。

 こちらが詰まれる場合だけではなく、逆に相手の手数がなくなった時にうまく辺をとることで、相手を積むこともできる。
 
 


囲い厨のブログ-手数2
図9 黒番

 先ほどとは変わって、黒優勢の局面である。
 白は打ちたい場所がない状況である。
 この局面で、手番を相手に渡すことができれば、白は詰みである。

 もうおわかりであろう。

囲い厨のブログ-手数2正解
図10 白番

 正解はG1.
 これによって、白はどこに打っても隅をとられてしまうことになる。


囲い厨のブログ-手数2ミス1
図11 黒番

 失敗例を見てみよう。
 図9から、黒F1ととって、白G1ととった局面である。
 黒は白をしとめそこなった挙句、下の白壁を割るはめになる。

囲い厨のブログ-手数2ミス2
図12 白番

 黒C7.これによって、白は下辺に打てる場所が増えた。
 苦しいながらもなんとか生き延び、勝負は最終盤までもつれこみそうな気配である。

 このように辺をうまく利用すれば、九死に一生を得て生き延びたり、手数のなくなった相手にとどめを刺すことも可能になるのだ。

 練習問題
 
1.左辺で手数を稼いで、白を詰めろ!

囲い厨のブログ-手数3
図13 黒番


2.左辺をうまく使って、相手の打てる場所を作りつつ、手番を渡せ!
囲い厨のブログ-手数4
図14 黒番

 この辺3個に中辺3個がのっているパターンもよく使えるので、覚えておきたい手筋だ!

 このままでは白は打てる所がない。このまま白番になってもパスされて、再び黒番になる。
 そこで、白が打てる場所(具体的には星打ちさせる)を作りつつ、相手に手番を渡すのだ。

 諸君の優秀な頭脳を使って、じっくりと考えてみてくれたまえ!
 それでは、本日はここまで!