記念すべき第10回は、定石についてお送りしよう!

 まず定石とはなんぞや?

 定石(じょうせき)とは、序盤の決まった打ち方のことである。

 オセロでは手が進むにつれて、石が多くなり局面が複雑になっていく。
 しかし、石が少ない序盤のうちは、ほとんど最善手がわかっているのだ。
 そのほぼ最善手が定石である。

 ほぼと中途半端な言い方をしたのは、定石の中にも変化があったりするので、ほんとの最善手なぞ試合が終わって見なければわからないような所があるからである。

 だが、限りなく最善に近い手であることは間違いない。
 その定石を覚えて、序盤のうちから、対戦相手に一歩でも二歩でも先んじておこうというのが、定石をマスターする狙いである。

 とくに強くなればなるほど、細かいところで差をつける、その積み重ねが勝敗を決するということが少なくない。

 今まで解説してきたような、有名な理論や、大きなテクニックなどみんな知っているのである。

 いかに小さなところ、細部で差をつけていくか。

 細部に神は宿るのである。

 というわけで、諸君も定石を学び、序盤のリードを終盤に活かせるようがんばってもらいたい。

 ちなみにオセロとピグのしろくろでは、初期配置が逆になっている。
 我輩はピグ専なので、ここではピグの初期配置で定石を解説していこうと思う。


囲い厨のブログ-定石0
図1 しろくろの初期配置

 黒の一手目はどこをとっても同じである。
 上下左右、伸びる方向が違うだけである。
 
囲い厨のブログ-定石2
図2 白番

 黒はF4と右に伸びた。
 2手目は白だが、ここからの3パターンの変化を紹介する。
 つまり、白は最初の手で、どの形にするか選択することになる。


囲い厨のブログ-縦取り
図3 2手目 白が「縦取り」した場面

 図2から、白D3と縦に取った。
 ここから始まる代表的な定石はうさぎ定石虎定石である。

囲い厨のブログ-斜め取り
図4 2手目 白が「斜め取り」した場面

 図2から、白F3と斜めに取った。
 ここから始まる代表的な定石は牛定石である。

囲い厨のブログ-並び取り
図5 2手目 白が「並び取り」した場面

 図2から、白F5と並ぶように取った。

 この白の並び取りは要注意だ。
 白の一手目から、この並び取りをするといきなり不利になる。
 ゼブラの評価ではー6の手である。

 ここから始まる代表的な定石は、鼠定石である。

 鼠、牛、虎、卯、と干支から名前を借りてきているのがわかる。
 この4つを、オセロの4大定石という。

 今回は5手目まで紹介する。
 その後もいろいろな展開や変化があるが、それはまたの機会にしよう。

 うさぎ定石。

囲い厨のブログ-うさぎ1
図6 3手目

 図3の白の縦取りから、黒C6と中を割る手。

囲い厨のブログ-うさぎ2
図7 4手目

 白はF5ととった。

囲い厨のブログ-うさぎ3
図8 5手目

 黒E6と一個取り。
 次に白はC3、黒D5と展開していくが、今回はここまで!
 これがうさぎ定石の基本形である。
 
 続いて、同じく縦取りから虎定石を解説していこう。


囲い厨のブログ-虎1
図9 三手目

 図3から、黒C6と打つのが虎定石の始まりである。

囲い厨のブログ-虎2
図10 四手目

 白はD6と中を割る感じ。


囲い厨のブログ-虎3  
図11 五手目

 黒はC5と中を割り返す感じ。
 ここまでが虎定石の基本形である。
 この後は、白F5、黒C4と展開していくのがオーソドックスな形である。 

 次は、斜め取りからの牛定石にいってみよう。


囲い厨のブログ-牛1
図12 3手目

 図4から、黒はE3と中を割る感じでとった。

囲い厨のブログ-牛2
図13 4手目

 白はD3。

 一見壁をつくって悪いように見えるが、前の場面では打つ場所が二箇所しかなく、どちらをとっても同じ形になる。
 また次の黒の手は、必ず壁を割る、もしくはいじる手になるので、ここまではまだ五分である。

囲い厨のブログ-牛3
図14 5手目

 黒はC4と左に壁を割った。
 前の場面から、黒E2と割る手も同じような手に見えるが、E2は中辺に飛び出すため、全然違った形になる。

 とりあえず、ここまでが牛定石の基本形である。
 記憶のコツは反復である。何度でも打ってみて、記憶に刻み込もう。

 最後に、鼠定石である。
 これは定石とはいえ、白が不利になってしまう定石である。

 原因は白の最初の手、並び取りが悪手だからである。
 その後は白も最善の手を打っていくのだが、最初のマイナスをずっと背負ったまま進行していくことになる。

 自分が黒番で、もし相手が並び取りしてきた場合、チャンスとみてこの鼠定石に持ち込もう!

 
囲い厨のブログ-鼠1
図15 三手目

 図5から、黒E6と中に割る手である。

囲い厨のブログ-鼠2
図16 四手目

 白はF3ととった。


囲い厨のブログ-鼠3
図17 五手目

 黒はD6と引っ張る手。
 ここまでが鼠定石の基本形である。
 この後は、白C4、黒D3と展開していく。


 とりあえずは、この4つのマスターを目標に、オセロソフトなどを使って、自分で打って並べて欲しい。

 オセロソフトのオススメはゼブラだ。

 正式名WZebra。
 
 このソフトは反転機能がついていて、しろくろに対応できるうえ、研究モードでは、最善手を教えてくれる。

 WZebra

 ダウンロードページは英語だが、ソフト自体は日本語他たくさんの言語に対応している。

 ソフトを開いたら、上部のメニューのOptions → Languege → 日本語を選択しよう。
 定石の情報も載っているので、オセラー必携のソフトと言えよう。


 ちなみに定石には、一手一手に意味がある。その意味や狙いを考えるのは、非常に勉強になる。

 定石はまさにオセロの手筋の宝石箱なのである。

 諸君も、定石をものにして、さらなるレベルアップができるように祈っておる。
 本日はここまで!