教室のピラミッド | arigioari

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現在の徒然なる思いの、寄せ集めです。

 夏休みの終わり頃、職場の学校の校舎を歩いていた。ふとある教室を覗いて、唖然とした。机・椅子がまるでピラミッドのように積み重なっていた。ただし、それ以上想像力は働かなかった。そこは「やんちゃな」生徒たちの学校で、「また悪戯か」、と思っただけだった。
 しかしその職場を離れ、萎えていた想像力が徐々に回復すると、あの積み重なったピラミッドを思い出すことがある。造作もなく出来上がったような、乱れの無さ。よくもあれほどきれいに積み上げたな、と思う端から、ふと荒唐無稽な疑念が湧く。好奇心が波打つ。あれは本当に人間業だったのか、それもあんな堪え性のない生徒たちの。
 一番てっぺんには、天井に触れんばかりに、机が一個のっかっていた。