銀の糸 | arigioari

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透視能力を開発した人はだれでも、だれかが死にかかっている人を観察する時には、「銀の糸」を見ることができると断言している。要するに死が近づいた時に、死にかかっている肉体から銀色をした本人の複製的な姿形が離れていくのが見える。そしてついには二つの肉体を結びつけている銀色の光の束ないし線と見えるもの以外は、すっかり消えてなくなってしまうのである。この線がつながっているかぎり意識は常に物質的な肉体に再び帰って来ることができるが、ひとたびこの糸がとぎれ、分離が完全に行なわれるともはやこのような復帰は不可能になる。そのときその人は「死ぬ」のだ。

『オカルト入門』 W.E.バトラー (角川文庫)