ED治療薬(成分はクエン酸シルディナフィル)は製品名「バイアグラ」として最初に販売され、ED治療に大きな功績を残しました。その後、同様の効能を持つタダラフィル、バルデナフィルが開発されました。医薬品はその多くが保険適用され、自己負担は年齢によりますが30%以下で済みます。しかしながらクエン酸シルディナフィルはジェネリックを含めて「保険給付の対象としないこと」とする保険発第20号(平成11年3月9日)の指示文書で示されています。このため保険診療ではなく、自由診療(自費)で支払うことになります。その一方で「医師の処方せんに基づく投与又は販売を義務付けている」と記載されており、医師の診察が必要です。ではどのような診療科が適切かと言うと、内科、外科、泌尿器科、心療内科、美容外科など多くの診療科で処方されます。心療内科、美容外科などでは簡単な問診のみで処方されることもあります。医師の元を訪れるのが恥ずかしいと考え、個人輸入に頼る人も見られますが、偽物、あるいは成分が明確でないものも含まれるため、適切な医療機関を受診することが必要です。含有量は25mgと50mgが日本では発売され、1錠あたり1,500円程度のようです。海外では100mgも許可されていますが、日本では許可されていません。この成分はもともと狭心症の治療薬として開発されたもので、副作用の「勃起」に注目され、医薬品として開発されたものです。ですから、狭心症の治療を受けている患者さんが服用すると、血中濃度が上昇し、血圧が低下するという重篤な副作用を引き起こします。またアメリカのFDAは突発性難聴の恐れがあると警告しています。このため、医師の診断が欠かせません。