「必要としてくれた球団に入れることは、すごく僕の中で光栄なことだと思いますし、率直にうれしく思っています。ジャイアンツにいた時から(阪神には)負けたくないという気持ちでしたけど、今度は逆の立場でジャイアンツには負けないぞという気持ちでやれると思うので、その辺に関しては楽しみでもあります」
山本は慶応高、慶大を経て15年ドラフト5位で巨人入団。17年のレギュラーシーズン最終戦となったヤクルト戦(神宮)では、プロ1号となる満塁弾を放つなど、意外性やパンチ力が魅力だ。内野の全ポジションをこなせるユーティリティー性で19年には92試合に出場。日本シリーズも経験し、レギュラー候補としても期待されていたが、今季は内野陣の競争激化で1軍出場がなかった。
巨人と阪神の両チーム間で行われた交換トレードは、79年小林繁と江川卓などの3例だけ。巨人から阪神に直接移籍したのも、00年広沢克実ら過去に3人だけで、山本のような金銭トレードでの移籍は極めて異例といえる。
来年3月には第1子が誕生予定。これまで関西に縁はなかったが、妻である毎日放送(MBS)の辻沙穂里アナウンサーは今回の阪神移籍を喜んでくれたという。「守るべきものもいるので、その辺はしっかり僕が支えていかないとなと思います」と力を込めた。
◆山本 泰寛(やまもと・やすひろ)1993年10月10日、東京・荒川区生まれ。27歳。慶応高では甲子園出場なし。慶大では1年春からリーグ戦出場。2015年ドラフト5位で巨人入団。今季は2軍で61試合に出場し、打率2割8分2厘、3本塁打。176センチ、76キロ。右投右打。