Disney取締役会はチャペックを騙し討ち


日本経済新聞
[FT]ディズニー、突然のトップ交代の陰に幹部の反乱
2022年11月22日 14:18
Financial Times
ウォルト・ディズニーで数週間前、経営幹部らがボブ・チャペック最高経営責任者(CEO)に対する反乱を起こし、チャペック氏の退任と前任者ボブ・アイガー氏の復帰へとつながった。
経緯について知る関係者が明らかにした。
追放への秘密行動は今夏に始まっていた。
チャペック氏がメディア王国ディズニーのかじを握ってから33カ月、混乱に揺れる中で経営チームの一部メンバーが同氏への信頼を失っていた。
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— MouseInfo | Disney News & Fun (@MouseInfo) 2022年11月21日
is now a good time to bring up that Chapek took a select group of influencers/bloggers to a free lunch at 21 Royal during D23 to take off the record questions/beg them to be nice to him online?
Now try to imagine Eisner or Iger doing that, because L O L
「大勢の人が取締役会に接触していた。脇に追いやられたと感じていたアイガー派の人たちだ」と、話し合いについて知る関係者の1人は説明する。
株式市場では、米メディア界の名経営者であるアイガー氏の復帰で社員の士気が高まり、高コストの動画配信事業の収益が改善すると受け止められ、ディズニーの株価は21日、6.3%反騰した。
Congratulations to Bob Iger as he assumes his role as CEO of The Walt Disney Company. And congratulations to Susan Arnold and TWDC board for their courageous decision. #Disney #TWDC pic.twitter.com/ZKsOfI1yHa
— Jim Shull (@JimShull) 2022年11月21日
ディズニー幹部らは数カ月前に、スーザン・アーノルド(Susan Arnold)氏が会長を務める取締役会への接触を始め、チャペック氏のリーダーシップに対する懸念を伝えていた。
関係者3人によると、その1人はクリスティン・マッカーシー(Christine MacCarthy)最高財務責任者(CFO)だった。

ディズニーにコメントを求めたが応じなかった。
「(取締役会は)どうすればいいか見当もつかない状態だった」と関係者の1人は話した。
悪い決算、決定打に
決定的要因となったのは、8日に発表された決算内容の悪さだった。
決算説明会で、チャペック氏は動画配信事業が7~9月期に15億ドル(約2100億円)の赤字だったことを明らかにした。
その3日後、チャペック氏は人員整理を発表し、社内メールで従業員に「厳しい不本意な決定を下さなければならない」と伝えた。
20日夜、15年間にわたりディズニーを率い、(会長だった)2021年に退社したアイガー氏がチャペック氏の後任となることに応じ、ハリウッドを驚かせた。
ディズニーのテーマパーク事業の運営で称賛を得たチャペック氏を後任に指名したのは、他ならぬアイガー氏だった。
費用がかさみ、ケーブルテレビや映画よりも低収益の動画配信事業での競争に各社が巨費を注ぎ込む中で、ディズニーの株価は年初からほぼ4割下落していた。
そのさなかのトップ交代だ。
チャペック氏のディズニー作品の扱い方や、中央集権化を進めて腹心たちの権限を強める経営改革にアイガー氏はいらだちを募らせ、「2人のボブ」の関係は急激に冷え込んだ。
アーノルド氏が橋渡ししたアイガー氏の復帰は、ディズニーがチャペック氏との契約を3年間更新し、同氏の退任を巡る臆測が鎮まってから6カ月もたたないうちに決まった。
チャペック氏に近い関係者は、同氏は自分を追い出そうとする動きが起きていることを数週間前に知ったが、進展の速さに不意を突かれたという。
突然の解任で、チャペック氏は巨額の支払いを受けることになる。
以前の契約では21年末時点で、契約の早期終了に際しては推定総額5400万ドルの現金・株式を得る権利を持っていた。
ディズニーは更新後の契約の詳細を開示していない。
71歳のアイガー氏は経営の立て直しと後任選びに2年間、CEOを務めることに応じた。
復帰に「驚いている」
ディズニーを離れる前、アイガー氏は4度にわたり退職を延期していた。
同氏は20日、従業員に宛てた文書に、会社に戻ることになり「いささか驚いている」と書いている。
景気後退への不安が高まる中で投資家は、米大手娯楽各社の株価を一様に下押しする動画配信事業のコストの高さに懸念を強めている。
米調査会社モフェットネイサンソンのアナリストは、アイガー氏は動画配信事業の戦略の「見直し」を図るとみている。
ウェルズ・ファーゴ銀行のアナリスト、スティーブン・カホール氏の見方はこうだ。
「この発表でディズニーの全ての問題が解決するわけではないが、おそらくメディア業界で最高のリーダーをトップに据えて改革を託すものであり、投資家は受け入れるはずだと我々はみている」
By Anna Nicolaou, James Fontanella-Khan and Alex Barker
(2022年11月21日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

kakkamax※
実はマッカーシーCFOはP&G社外役員を兼任している。
2人はディズニーの大株主であるカーライル・グループの出身でもあり、
いわばクラスメイトでもある。
最高幹部が1日で追放されるという事例は、まさに犯罪者扱いといっていい。
二人は機関投資家の極秘の意向で緊急クーデターを決行したようだ。






