続き...


「殴られた理由」...


それさえ分からないまま、再度聞いた...


ツーブロパーマ男...
「分かんねーのか?1日で抜き過ぎだろうが」


と、ツーブロパーマ男は怒りながら言った...。


どうやら誰かに監視されてたらしく、出し過ぎている事に連絡が入ったらしい...


柿ピ...
「す、すいません...。気を付けます...」


キャミソール女性...
「もうその辺にしてあげなよ。本人もこう言ってるし...」


ツーブロパーマ男...
「次はねぇからな...今日の出玉分もらうわ...」


僕は財布から大花火で出した12000枚分の万札を出しこの男に渡した...


そしてこの日から僕は、店を回る順、1日の抜く額(3500枚〜4500枚)を決め、木曜以外、大宮、浦和、上尾、岩槻、久喜、春日部、越谷、と、埼玉をあちこち駆け回った...


どの店も指定された台番は大花火で、(出玉的に手っ取り早かったからなのかな?)2000年が終わろうとしていた12月末までの3ヶ月間、僕は指定された台番で約束の300マソを用意した...。



受け渡し当日...


約束通り、16号沿いの吉野家で待ち合わせる...


この時、自分の中で「もう二度とやらない」と決めていた...


金に執着し過ぎて、好きだった大花火が、好きだったスロットが、途中から苦痛でたまらなかった...。


打てば当たり前の様に出て、打ち続ければ当たり前の様に出続ける...


楽しかったのは最初の5日くらいで、その後は全く楽しくなかった...


駐車場に着き、待つ事数分...


約束通り、ツーブロパーマ男とキャミソール女性が受け取りに来た...

(と言うか、この季節には高そうな毛皮のコートを着ていた)


ツーブロパーマ男...
「おう。待たせたな...。で、用意出来た?」


柿ピ...
「はい。これです...」


よくある茶封筒に入れた万札の束をキャミソール女性に渡す...。


キャミソール女性が札束を数え、


キャミソール女性...
「確かに。ありがとね」


ツーブロパーマ男...
「お疲れさん。最初はどーなる事かと思ったけど、頼んで良かったわ」


と言い、さらに5枚の万札を差し出して来た...


ツーブロパーマ男...
「これで何か美味いもんでも食え...。じゃ、うちら行くから、またな...」


「またな」の言葉に僕はツーブロパーマ男を引き止めた...


柿ピ...
「あ、あの...。こーゆーのはもうやりたくないので...すいません...」


と言うも、ツーブロパーマ男は「フッ」と笑い、大宮方面に消えて行った...


駐車場に立ち尽くし、思った自分...


「こんな金の稼ぎ方、ヤメよう...」


2000年、12月末...


「スロで稼ぐ金の稼ぎ方の考え方」がこの時変わったのだが、それはあくまで「この一瞬」に過ぎなかったのでした...


そう...年が明け、2001年に登場する




「アイツ」が出るまでは...





気ままに続く...