続き...


「3ヶ月で300マソ」...

「7店舗 × 万枚 × 20日 」...


計算だと楽勝だった...


紙に記された店舗を順に周る計画を立てるが、どれも埼玉県の北部ばかりの店で、自宅から遠い事が難点だった...。


しかし大金を受け取った以上、やるしかない...


2000年も秋を迎え、木々達の葉の色が紅葉へと変化していたこの日も朝早く家を出て、川越ICから埼玉県を北上し目的の店へと向かった...


関越道を走っていると、携帯電話が鳴る...


キャミソール女性...
「おはよう。もう向かってる?」


柿ピ...
「おはよございます。はい、向かってます。」


キャミソール女性...
「じゃあ、任せたわよ。終わったら電話して。16号沿いの吉野家で待ってるから...」


柿ピ...
「分かりました...」


確かこんな会話だったと思う...
(運転中の携帯電話使用は禁止です)


50分程走り目的の店へ到着した...


並びは数人...


初見の店に、うるさいマフラー音の車と他地域ナンバー...


そしてこれから「仕組まれた万枚」を出すとなると目立つ事間違い無いのだが、自分には「金を作る」目的があり、躊躇していられなかった...


並びの列に加わる前に、再度台番を確認する...


10時になり開店し、台番を探す...


柿ピ...
「〇〇〇番台...あった...」


そこに設置されていたシマの機種は、僕が最も愛した機種...


「大花火」だった...。



愛した台に、自分がこれから行う事の「痛み」みたいな物があったが、ここまで来たら迷ってられない...


そう、自分はこの道を選んでしまったのだ...


そして、3G間決められた「押し順」で「解放」させた...


本当に確率が変わっているのか?半信半疑のまま打っていたのだが、十数Gで無演出から斜めに七がテンパイしBIG...


ここから当たり前の様に当たり続け、15時には万枚を越えた...


そんな時バイブにしていた携帯電話が鳴り、ディスプレイにはキャミソール女性と表示されていた...。


外に出て電話に出る柿ピ...


柿ピ...
「やばいですよ〜。この時間でもう万枚です。こうなったら2万枚3万枚目指します」


と、興奮しながら言ったのだが...


キャミソール女性...
「すぐにヤメて、こっち来て!」


と、何やら怒りながら言う...


柿ピ...
「何でですか?これからですよ?これから...」


キャミソール女性...
「いいから!」


と言い、電話を切る...


流した出玉は12000枚...まだ15時過ぎである。


換金し、24枚の万札を得て、陽気な気分で待ち合わせ場所に向かった...


吉野家の駐車場に到着すると、キャミソール女性と、ツーブロパーマ男が僕の事を待っているのが見えた...


車から降りると足早に僕に近寄り、


ツーブロパーマ男...
「お前なぁ...」


と言い、僕を胸ぐらを掴み右拳が左頬に飛ぶ...


ズキズキと痛む左頬に、何故殴られたのか分からないまま、


柿ピ...
「な、何すか?」


と聞くも、2発目が再度僕の左頬に痛みを与えたのでした...


気まま続く...