桃の巻

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☆The Voice of Farmers☆
★次回は9月放送予定★

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ここは、千葉県南房総市にある丘の上の小さな農家レストラン。。。

そこでは両親を亡くした三人の兄弟が働いています。

水夏「福島のおじさんから桃が届いたよ！」

『好きな夏の歌といえば「夏の思い出」なのは、大学に行きながら畑を手伝っていた三男の水夏』



太陽「とびきり甘いんだよなあ、福島のおじさんとこの桃」


『好きな夏の歌と言えば「思い出の九十九里浜」なのは、5年前、家出同然で旅に出たまま、行方知れずだった長男の太陽』



苗太「てか俺大発見しちゃったんだけど」


『そして、好きな夏の歌は「GO!GO!サマー」なのは、実家を出て、居酒屋の厨房でアルバイトをしながら役者を目指していた次男・苗太』

水夏「何、大発見って」

太陽「どーせ桃は女の尻に似てるとかそういう話だろ」

苗太「ホントだ！よく見ると似てる！」

水夏「桃尻って言葉もあるくらいだからね」

太陽「てかそれがお前の大発見じゃないのかよ？」

苗太「てかそれが俺の大発見なの！」

太陽「あ？」

苗太「だから、その桃尻みたく桃のつく言葉がめちゃめちゃ多いってことだよ」

水夏「まあ、言われてみれば」

太陽「桃栗三年柿八年、的な？」

水夏「事を為すにはそれ相当の時間が掛かるって意味のことわざだね」

苗太「ことわざって言えば、ほら、『すももも桃も桃のうち』」

水夏「ことわざじゃなくて早口言葉」

太陽「桃源郷」

水夏「中国における理想郷だね。中国で桃は不老長寿の実と言われてたんだ」

太陽「桃の節句」

水夏「桃のご加護で女の子の健やかな成長を祈る行事だね」

苗太「女の子って言えば、菊池桃子」

水夏「それは…」

太陽「♪空にSAY YES！」

苗太「SAY YES！」

水夏「つーか、桃冷やそうよ」

苗太「そうだな、早く桃子ちゃんたちを冷蔵庫に…」

太陽「待て待て待て！」

水夏「何？」

太陽「桃子ちゃんたちを冷蔵庫に入れちゃダメ！」

苗太「なんで？」

水夏「そうだよ、キンキンに冷やした方がおいしいじゃん」

太陽「だから、冷蔵庫はダメなの！」

水夏「じゃあ、流水で冷やすの？」

太陽「だから、いいんだよ冷やさなくて」

苗太「あんたの好みだろ。俺たちはキンキンに冷えた桃が好きなの。行こうぜ、桃冷やしに」

水夏「うん」

太陽「ポンポンポンポン！」

水夏「何？」

太陽「一つ、人の世の生き血を啜り」

苗太「…何だよ？」

太陽「二つ、不埒な悪行三昧」

水夏「…まさか」

太陽「三つ、醜い浮世の鬼を、退治てくれよう、桃太郎」


太陽が桃を冷蔵庫で冷やすのを阻止しようとしていた頃、土田農園の畑では、パティシエの柿沢安耶さんが、福島県福島市にある「みちのく観光果樹園」　の片平新一さんに桃のお話を訊いていました。



土田三兄弟の農家レストラン奮闘記、

桃の巻

完