かんしょの巻~後篇 | ニッポン放送~柿沢安耶と番組スタッフのブログ~The Voice of Farmers 

かんしょの巻~後篇

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『千葉県南房総市。丘の上に小さな農家レストランがあります。そこでは両親を亡くした三人の兄弟が働いています』


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『5年前、家出同然で旅に出たまま、行方知れずだった長男の太陽』


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『実家を出て、居酒屋の厨房でアルバイトをしながら役者を目指していた次男の苗太』


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『大学に行きながら畑を手伝っていた三男水夏』



<三人で江戸時代の再現ドラマがスタート>



太陽「今を遡ること275年、大商人による米相場の悪質な操作、度重なる飢饉やバッタの大量発生で、江戸の庶民たちは食べるものがなく、困っていました」


水夏「吉宗様、江戸では庶民たちの米問屋の襲撃や農民の一揆が後を絶ちません。なんとか庶民に食べるものを与える方法はないでしょうか」


苗太「…うむ」

太陽「そこに現れたのが、青木昆陽という蘭学者の男でした」

太陽「将軍様、私に良い考えがございます。薩摩から長崎を経て伝わる、サツマイモを育てるのです」

水夏「しかし、江戸ではサツマイモの栽培は前例がないでござるぞ」

苗太「…うむ」

太陽「心配ご無用!」

太陽「そして、青木は自ら江戸の周辺でサツマイモの試験栽培に挑みました」


太陽「関東では前例のなかったサツマイモの栽培。江戸周辺での試験栽培はことごとく失敗に終わりました。

それでも青木は諦めませんでした。すべては庶民を飢えから救う為…そして、数々の試験栽培地の中で唯一成功を修めたのが、現在の千葉県幕張市だったのです」

水夏「吉宗様、青木がサツマイモを実らせました!これで庶民を飢えから救うことができます!」

苗太「…うむ」

太陽「サツマイモで江戸の庶民たちを飢饉から救った青木昆陽。人々は彼を『甘藷先生』『芋神様』とあがめ、やがてサツマイモの試験栽培が成功した千葉県幕張市には昆陽神社が建立されたのでした」



<焚き火の前で太陽の話を聞いている苗太と水夏>



水夏「すげえな。俺、千葉県のサツマイモ生産量が全国一位っていう理由がよくわかった気がするよ」

太陽「江戸時代の飢饉だけじゃなくて、太平洋戦争の時もたくさんの人々を飢えから救ったんだぞ」

水夏「すげえな、サツマイモって」

苗太「あのさ」

太陽「おう、芋焼けたか?」

苗太「そうじゃなくて、俺の芝居」

太陽「あぁ、熱演だったよな、芋なりに」

苗太「芋?」

水夏「ナイス吉宗!」

苗太「何だよ芋って!」

太陽「だから芋は焼けたのかって!」

苗太「よく焼けたよ!」

水夏「うまそー!」

太陽「ちゃんと芋神様に感謝して食べるんだぞ!」

苗太「だから、俺、うむしか言ってないんだけど!」



土田三兄弟の農家レストラン奮闘記、

かんしょの巻

完・・・