カブの巻~前篇
★AM1242ニッポン放送★
☆The Voice of Farmers☆
★毎週金曜夜8時から!★
『千葉県南房総市。丘の上に小さな農家レストランがあります。
そこでは両親を亡くした三人の兄弟が働いています』
『5年前、家出同然で旅に出たまま、行方知れずだった長男の太陽…ちなみに、冬の楽しみは熱燗』
『実家を出て、居酒屋の厨房でアルバイトをしながら役者を目指していた次男の苗太…ちなみに、冬の楽しみはスノボー』
『大学に行きながら畑を手伝っていた三男水夏…ちなみに、冬の楽しみは寒風摩擦』
<畑でカブの収穫をしている三兄弟>
苗太「♪今日はカブの収穫だ~ 新鮮なうちにひとつ味見を(食べて)甘い!いいカブじゃない?」
水夏「ここんとこ寒い日が続いてたからね」
太陽「きめ細かい真っ白な肌、ピンと伸びた美しい緑。見た目も超GOODでしょ」
水夏「小かぶは数ある野菜の中でも一番品種改良の進んだ”芸術品”って言われてるからね」
苗太「叶姉妹みたいな?」
太陽「お前その言い方トゲがあるぞ?」
水夏「で、相談なんだけどさ」
苗太「叶姉妹の写真集なら太陽にぃの部屋にあったぞ?」
太陽「お前、勝手に見んなよ!」
水夏「じゃなくて、このカブ、何かになんないかな」
苗太「何かって?」
水夏「お客さんに言われたんだ」
太陽「何を?」
水夏「前は色々あったのにねって」
苗太「色々って?」
水夏「梅干しとか」
太陽「あぁ、ジャムとかな」
苗太「え?何?梅ジャム?」
水夏「あとしょうがのクッキーとか」
苗太「昭和?」
太陽「にんじんジュースも人気あったろ」
苗太「妊娠?」
水夏「加工品だよ」
太陽「このバカタレ」
苗太「加工品?」
水夏「(タメ息)店のさ、レジの横に棚あんだろ」
苗太「あぁ…」
水夏「あそこ、前は”オフクロの棚”って呼ばれててさ」
太陽「お袋がうちの野菜で作ったうまいもんが並んでたんだよ。このバカタレ」
苗太「…オフクロの棚って、え?今雑誌とか置いてあるとこ?」
水夏「だから俺たちで何か作って復活させられないかなって。オフクロの棚」
太陽「このバカタレ」
苗太「け、ケーキは?カブのケーキ」
水夏「柿沢さんと丸カブりじゃん」
太陽「カブだけにな。ってこのバカタレ」
苗太「じゃあ歌舞伎揚げ!」
水夏「カブで?」
太陽「蟹と一緒に炊くってのはどうだ?」
水夏「カブと?」
苗太「分かった、カブトガニだ!」
水夏「レストランのメニューならアリだと思うけど」
苗太「株式会社!」
水夏「どんな食いモンだよ」
太陽「広島カーブ!あ、カブのお好み焼きな」
水夏「だからレストランならアリだけど」
苗太「カブキザ!」
水夏「海老蔵かよ!」
『三人がカブの加工食品について考えていた頃、土田農園の畑では、パティシエの柿沢安耶さんが、神奈川県藤沢市でオーガニック農園の傍ら、食品加工の工房「メイローゼス」を営んでいる千成真奈美さんにお話を訊いていました』
土田三兄弟の農家レストラン奮闘記、
カブの巻
「後篇」に続く・・・