食べられるバラ | ニッポン放送~柿沢安耶と番組スタッフのブログ~The Voice of Farmers 

食べられるバラ

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☆The Voice of Farmers☆
★毎週日曜日夜8:30~★


スタッフYです。


今日は寒いですね。


東京では雪がチラついたり。。。


さて、


『畑の旅人』


今週は、栃木県 バラ農家の


大塚智康さんです。


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大塚さんのバラ園へお邪魔したこの日も、


雪がちらつく真冬日。


花も凍えてしまいそうな


冷たい風から逃げるように


ビニールハウスに入ると、


まるで春が来たような


暖かく心地よい温度に


ホッとため息が漏れました。



【スタッフ】何度くらいあるんですか?


【大塚さん】花が“休眠”という


冬眠の状態に入っちゃうので、


最低18度以上は保っていないと。


それはもう昼でも夜でも。


寒い時期は特にですね。


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温度管理が品質の要である


バラの栽培。


冬はポカポカと暖かく感じる温室も、


夏をむかえるころには


外の空気が涼しく感じるほどの


暑さになります。


【大塚さん】暑いです!


夏場なんかすごいですよ。


もう一日にTシャツ四枚、


パンツ5枚くらい変えて。


もうびっしょりです。


夏場の場合はどんなにがんばっても


18度までは下がらないので、


夜間温度で30度を超す


熱帯夜の場合はエアコンを回します。


30度以上に上がらないように


温度をおさえてあげることで、


バラの株が疲れないように。





列を作ってキレイに並ぶバラの苗。


その隙間を縫うように歩き、


毎朝の収穫作業や手入れをします。



ストレスがかからないよう


自由に伸ばされた枝。


その棘で繊維を削られて、


厚手のジーパンや作業着でも


一年もたないといいます。



そんなバラ農園での仕事を始めたころ、


大塚さんが初めて


師匠であるお父さんに任された


仕事がありました。

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【大塚さん】俺が初めて就農、


農家に後継者として入った時に、


オヤジから


「お前の好きな品種選んでみろ」


って言われて、初めて選んだのが


このダンシングクイーン。


ちょっとトゲがすごいきついんですけど。


でも花もちがよくて、


ボリュームもそこそこ良くて。


開くと中がピンク色に


だんだん変わっていく種類です。





黄緑色と薄いピンク色の


コントラストがきれいな


『ダンシングクイーン』。


今では農園の人気商品の


一つとなりました。



お父さんの下に付いて


仕事を始めた当時、


まったくの経験ゼロだったバラ作り。


勉強の日々は続きます。



バラ農園の後継者となることを


決めたのは5年前。


小さい頃から見ていたはずの


お父さんの背中が


今までと違って見えたのは、


大塚さんが社会人となり


働きだしてからだと言います。



【大塚さん】自分は18のころに


高校卒業して、そのまま自衛隊に


入っちゃったんですよ。


自衛隊で約5年間やって、


今後の将来とかを考えたときに、


自分ちがこういう


しっかりした仕事をやっていて…。


なんというか、


オヤジのやってる仕事が


面白そうに見えてたというか。


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数十年間農業経験を積んできた


お父さんの技術には、


まだまだ及ばないという大塚さん。


新規就農した大塚さんにとって


お父さんは師匠であり、


いつかは超えて見せたい目標です。



【大塚さん】例えば・・・


病気や病害虫なんかで


バラが何か変だなって言う時は、


においで感じろって


言われたんですけど(笑)


におい…


分かんないな、まだ。


オヤジはハウスに入って


においで分かるらしいです。


入った瞬間に、


ん?何か出てんな、


っていうのが。


【スタッフ】それはどんなにおい…?


【大塚さん】それは俺も


ほんと分かんないんですよ。


どんな匂いだって聞いても


「この匂いだよ」って。


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若い農業家として、


受け継ぐ農園を


さらに盛り上げて行きたい。


昨年、同世代の仲間と共に、


消費者と生産者が


直接顔を合わせることができる


参加型市場「マルシェ・ジャポン」にも


出店を始めました。


マルシェで販売しているのは、


5本ほどをひと束にした


手頃な価格のブーケ。


そこには、


花をもっと身近に感じて貰いたい


という思いがあります。




【大塚さん】花の立場っていうのは


どうしてもやっぱり、


食べるものではないんで、


嗜好品に近いものに


なっちゃうんですね。


でもそんな中でも


もっと身近に、


色んなところで


お家に花を。


それはバラだけじゃなくて、


キクでもカーネーションでも、


全部の品目を。


それは好みに合わせてなんですけど、


お家に飾るっていう習慣。


たとえばプレゼントを贈るときに


お花を添えるだとか。


昔はダメだったけど、


今なら仏壇にバラを飾るとか。


ホントに人々が


生活の中で花を使う、


花が当たり前にあるような時代が、


・・・今は不景気だから


難しいかもしれないですけど・・・


来てくれたらいいなと思ってます。


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バラ農園の可能性を広げる為、


大塚さんが挑戦している


新しい商品があります。


それは青いバラ。


白いバラに青い染料を溶かした


水を吸い上げさせることで、


花びらは鮮やかな青色を発色します。




【大塚さん】例えば受験生とか、


これから卒業していく方とかが


今後がんばっていくため、


青いバラの花言葉が


『やればできる』


っていうことらしいんで。


そういった意味で


スポットで使ってもらえるようになれば。


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『やればできる』。


前向きなメッセージを乗せた


その青いバラは、


マルシェでも多くのお客さんの目を


引きつけます。



大塚さんには、さらに


今後チャレンジしてみたいことが


あるそうです。



【大塚さん】今は切り花で


鑑賞するだけっていう感じなんですけど、


今後は食べられるバラっていうのを。


全部無農薬にして、


有機農法でっていうのも


おもしろいかなって。


たぶんものすごく


大変だと思うんですけど。


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野菜などの農産物に比べ、


その年によって


色や形など市場の流行を


敏感に感じ取らなければ


いけない生花栽培。


消費者のニーズに合わせながらも、


忘れてはいけない


大切なことがあります。




【大塚さん】流行ばっかり追いすぎてても


いけないんですよね。


やっぱり流行っていうのは


2年3年で終わってしまうものであって、


いかに10年先も残っているような


品種を作っていくか。


それには品質を高めることも大事だし、


今まで通りの


何の変哲もないバラだけれども、


例えば葉っぱがすごい肉厚で、とか


花もちがすごい良くて、とか、


そういうところにこだわりを持って


やっていきたいですね。


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新しい道を切り開きながら、


お父さんが作り上げた


バラの信頼とこだわりを守り続けること。


それが農園を受け継ぐ


後継者としての決意です。



☆大塚さんも参加する

栃木の若手農業家が作る

生産者グループ『匠group』の

ホームページはこちら↓!

http://takumi-group.info/


マルシェ・ジャポンなどの

イベント参加情報も

チェックしてみてくださいね。