ナウシカってすごい! | ニッポン放送~柿沢安耶と番組スタッフのブログ~The Voice of Farmers 

ナウシカってすごい!

 

★AM1242ニッポン放送★

☆The Voice of Farmers☆

★毎週日曜日夜8:30~★


スタッフYです。


『畑の旅人』

今週は、千葉県柏市の小川幸夫さん。


柏市の繁華街から車で30分ほど走らせると、住宅も多く並ぶ道沿いに、

採れたての野菜と、お母さんが作ったお漬物などが並ぶ

直売所が見えてきます。

昔ながらの大きな造りの家と、猫が5匹、犬が一匹。

子供の声が聞こえる、にぎやかな小川さんの農園がそこにありました。


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【小川さん】これは堆肥っていうものなんですけども、

堆肥の中でも植物系のものだけから作られたものです。

堆肥っていうと、だいたい馬糞豚糞などなんですけども、

これは8割9割くらい落ち葉から作られてるんですよ。

あとは田んぼから出る藁・モミなどから作られてます。


【スタッフ】だからか、なんか良い匂いがしますね。


【小川さん】そうですね。そんなに腐ったような匂いはしないです。


【スタッフ】落ち葉が中心だと、何かいいことがあるんですか?


【小川さん】落ち葉が中心だと、肥料分がすごく少ないんですよ。

肥料としてじゃなくて、土壌改良剤として畑に撒いています。

排水性・保水性もいいですけど、いろんな落ち葉が入ってるので、

植物が必要とする養分が細かく入ってるんです。

堆肥の中でも落ち葉の堆肥は王様だってよく言われるんですけど、

そのかわりこんだけ作んなきゃいけなんですよ。


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畑に入ると、まず目に留まるのは大きな大きな土の山。

それは、小川さんが自らの手で集めた落ち葉や藁で作った

畑の元気のみなもと。

健康な土を作るために、年間何トンもの堆肥を作ります。


【小川さん】輪作っていって、葉物を作ったあとに

根菜類、葉物の前に可採類って実のなるものを作るとか、

そういういろんな作物を繰り返していくことで、

その畑に病気とか害虫を増やすことなく、

上手に自然の力で作っていける。

自分にとって一番は、

いろんなものを作っていろんな生き物がそこにいることなんです。

お互い食いつ食われつの世界で、自然にバランスとろうとするんですよ。

だからこっちが、あえて一生懸命やることも少なくなってくるんですよね。


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食べるものと食べられるもの、そのシンプルな生態系こそ、

野菜を育てる大切な環境。

小川さんは、虫を殺す農薬を使いません。

害虫をなくすために、その虫を食べる益虫を増やす方法を考えます。


【小川さん】これ何に見えます?


【スタッフ】うーん、テントウムシみたい…


【小川さん】おっよくわかりましたね!テントウムシのさなぎなんですよ。

ここでアブラムシを食べて、大きくなったテントウムシの幼虫が

こっちに行ってさなぎになってるんですよ。

実はここバーってみると、すごいいっぱいついてるんですよ。

これが成虫になって、こんどはアブラムシがついているところに行って

卵をうみつけるんですよ。

そうするとアブラムシいなくなっちゃいます。


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虫の生態を活用する自然農法は、

日本でも少しずつ広がりを見せているそうです。

だからこそ、虫のことをよく知ってほしいと小川さんは言います。


【小川さん】最近かなり浸透してきました。

高知県とか四国のほうとか、

産地をあげてそういう取り組みをしようっていうところも増えてきてるし、

そういう農業の中で、多少ですが、薬の代わりに生き物を使おうっていう。

簡単に虫が手に入る時代になったんで、

それを農業に生かそうっていう動きにはなってきてます。

でもそれだと、皆道具としか扱わないんですよ。

害虫がちょっと増えれば薬を撒いて、

で、また良い虫を入れて、っていう繰り返しなんです。

そこをちょっと考えてほしいなって。

ぜんぜん虫のことを考えないで、道具として使ってる人が多いんで、

すごい虫がかわいそうなんですよ。


一番の益虫はなんですか?

小川さんに尋ねると、返ってきた答えは「ダンゴムシ」。

農業を知らない人たちの目には留まらない小さな虫が、

畑の中で暮らす小川さんが選んだ“虫の王様”でした。


【小川さん】ダンゴムシってすごいんですよ。

こういう、生きてる葉っぱはあんまり食べないんですよ。

落ちたもの…死にかけたものを食べて土に戻してくれるんです。

そこに気がついた人がいるんですよ。

宮崎駿監督。

風の谷のナウシカって見たことあります?

そこに出てくる虫の王様は「オオム」って言うんですけど、

あれ、モデルダンゴムシですよね。

あ!この人すごい!って。

一番好きな映画なんですけど。

菌類たちが、人間が汚してしまった土地を、

自分たちがそこに住むことで自然と浄化してくれるんです。


子供のころに見た映画の中の世界は、

少しずつですが、今、小川さんの畑の中に生まれつつあります。


植物、虫、たくさんの生き物たちが自然に生きていくこと。

それを手助けするのが小川さんの農業です。


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生き物たちの暮らしは、私たち人間には予想ができないことの連続。

だからこそ、新しい発見ができる毎日を、小川さんは楽しんでいるそうです。


☆そんな「ファーム小川」のお野菜は、

柏市内の直売所、スーパーの地場産コーナーなどで

食べることができます。

お客さんとの対面販売で、

なるべく直接お話しができるような売り方を心がけているそうです。


☆都内で開催されているマルシェ・ジャポンにも出店することもあるそうなので、

ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?