
九杯目には早すぎる
- 著:蒼井上鷹
- 出版社:双葉社
- 定価:840円
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うわー、びっくり。
この作家さんの描写力、構成力すごい。
普段ミステリは、名前の売れている人の
しかも、比較的新しいのしか読まないので、
経験値が低いのだけど、
将来有名な作家さんになるだろうなという
臭いが行間からプンプンしてる。
もしかすると、マニアの間では
もうすでに有名になっているのかもしれないな。
この本には、9つの短編が入っているけど、
ちょっと長いもの、短い、ちょっと長いものというふうに
本当に短い話が間に挟まっているので、
読んでいて、
気分をリフレッシュできる。
短いものなら、「においます?」
長いものなら、「見えない線」が面白かった。
どの話を読んでも、
人間の持っているトゲ(ちょっとした矛盾とか、普段隠している感情)が
巧みに描写されていて
ドキッとさせられる連続だった。
人間って、こういう生き物だよなと
何度もうなずいた本だった。

