61話の山下さんとのその後です。
ほぼスッピンの顔を見られたせいか、なんとなく親近感と言うか、他人のような気がしない山下さん。
山下さんが通ってくれるようになってから、後半はほぼ月一回の来店になりました。
山下さんとはプライベートの話もする関係になるのに時間はかかりませんでした。
山下「ユキちゃんはそんなに近くに住んでたのか、じゃあそのうち会うかもね(笑)」
ユキ「ねぇ、すごい偶然!近所で会ったらまたスッピンかもしれないですよ~(笑)」
山下「もし見かけて一人だったら声かけても大丈夫?お茶くらいしようよ。」
ユキ「一人だったら大丈夫ですよ。」
山下「良かったらお店にも遊びにおいでよ、気が向いたらでいいから。サービスするよ!」
ユキ「あはは、じゃあ気が向いたらね!でもいつになるかわからないですよ。」
このときは山下さんのお店に行ってもいいかな?と思う気持ちと、近いからやめたほうがいいという気持ち、半々くらいでした。
半々くらいの気持ちということは、出不精の私ですからほぼ行かないほうに傾いていると思って間違いないです。
山下さんはとても好きなお客さんでしたが、やっぱりお店の外で会う気にはなれなかったんです。
山下さんにはお店の名刺を貰いましたが、お店に置いてあったお客さんの名刺ファイルに仕舞われて、そのままになっていました。
そして時は経ち、数ヶ月前のことです。
毎週末、旦那と飲みに出かけている私ですが、この日は旦那があるスポーツの試合に出るため一緒に飲みに行けない週末でした。
ユキ「うわぁ、重なっちゃったね…今週末はどうしようかな?」
旦那「じゃあ、田中達と飲んでくればいいじゃん、連絡してみなよ。」
ユキ「うん、じゃあそうしようかな!連絡してみる。」
旦那「飲みすぎないようにね。」
田中達というのは、旦那とも私とも飲み仲間の数名ですが、飲み屋さんで偶然一緒になる程度で、今まで約束して一緒に飲みに行ったことはありませんでした。
連絡して田中さんともう一人と一緒に飲みに行くことになり、いつもの飲み屋さんに行く前に一駅離れた田中さんの友達のお店で軽く飲むことに。
田中「ここも良いお店だよ、今日はこの後まだ飲むからそんなに食べれないけど○○が美味しいんだ。」
ユキ「へぇ~、楽しみ!あっ、私ちょっとタバコ買ってくるね、田中さん達はタバコある?」
田中「大丈夫だよ、じゃあ先に入ってる!」
ユキ「うん、すぐ行くね~。」
タバコを買って店内に入ると、田中さん達はカウンターに座り、友人であるマスターと楽しげに会話をしていました。
ユキ「お待たせ~!」
マスター「いらっしゃいませっ!!…あっ!」
ユキ「………(冷汗)………(滝汗)………たっ、田中さん、おっ、お待たせ!」
ここのマスターが山下さんだったんです(汗)
幸い山下さんは田中さんと私が一緒に来たことにすぐ気づき、初対面のフリをしてくれました。
それでも少し心配ですよね?
二人は友達なわけですし、田中さんは旦那とも知り合いです。
少ししてトイレに行き、私のメールアドレスを書いてコッソリ山下さんに渡しました。
会話の流れで私が結婚していることも、田中さん達は旦那とも知り合いなこともわかったと思いますが、不安でした。
翌日、山下さんからメールが来て、『何も言わないから大丈夫だよ』と書いてあり、それでようやく安心できたんです。
いまではこの山下さんのお店は、私が一人で飲みに行ける飲み屋さん2軒のうちの1軒です(笑)
田中さんを交えて3人で一緒に飲みに行くこともありますが、昔のことは一切話さず、新しくできた飲み友達としてのお付き合いです。
山下さんとは友人として、とても相性が良いんだと気づきました。
もしかしたら、私がソープで出会った居心地の良いお客さんは、外で別の形で出会っていたら良い友人関係になれたのかもしれませんね。
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