お客さんの中には、お店に来るたびに差し入れを持ってきてくれる人もいます。



忙しい日だと食事を取る暇もないので、接客中に食事を取れるのはとても嬉しいことなんです。


私も接客中にお腹が鳴ったりして恥ずかしい思いを何回もしているので、差し入れは嬉しかったです。




そんな差し入れを持ってきてくれる人の中に木下さんという調理師さんがいました。



木下さんとはそれほど長いお付き合いではありませんでしたが、木下さんの差し入れには毎回驚かされました。




初めての来店の日、木下さんは片手にコンビニのビニール袋を持っていたんです。



それは初めて会う私への差し入れで、バニラアイスとブルーベリーソースとクッキーでした。



木下さんは個室に入るなり、その差し入れを調理道具を上手に使って混ぜ合わせて、美味しいデザートの作りかたを教えてくれたんです。



木下「こうやって混ぜ合わせると簡単で美味しいデザートができるんだよ、彼氏に作ってあげなよ!」



ユキ「ホントだぁ~、簡単にできるし美味しいですね♪」



木下「そうそう、簡単にできるのがいちばんだからね。喜んでもらえると嬉しいな、また今度他のも作ってあげるよ。」




そういって帰って行った木下さんですが、この次にはもっと本格的に個室で料理できる道具を持ってきたんです。




ユキ「こんにちは!今日はものすごい荷物ですね~。」



木下「今日は少し寒くなってきたし、美味しい鍋の作り方を教えてあげるよ!」



ユキ「鍋!?まさか、その荷物って鍋の材料!?」




そのまさかでした(笑)


荷物の中にはカセットコンロ、土鍋、すでに切ってある食材などがドッサリ入っていたんです。



この日のメニューは豆乳鍋でした。



とても美味しかったんですが、時間も限られていますし二人だけですから、食べるのに必死(汗)






そして次の来店のときもカセットコンロを持ってきて、当たり前のように調理していました。



ある日、臭いが他の部屋に回っているとフロントからコールが入り、それからは個室で火を使った調理は禁止されてしまいました。




ユキ「残念だけど、他の部屋から苦情が入るみたいだから…。」



木下「そうだよね、なるべく臭わない料理を選んでたんだけど、やっぱりダメだったかぁ~。」



ユキ「でも全部美味しかったですよ、すごく嬉しかったです。」



木下「俺一人暮らしが長いから、作ったもの美味しい美味しいって言って食べてくれる彼女が欲しくてさ。」



ユキ「早く彼女ができるといいですね!木下さんのお料理なら誰でも美味しいって喜んでくれますよ!」




なるべく臭わない料理を選んでいたと言っていますが、この日の食事は鉄板焼き(笑)



お好み焼きと軽く焼肉を食べていたんです。




これ以降も木下さんは火を使わないで作れる料理を教えてくれました。



今でも木下さんに教えてもらったメニューが我家の食卓にのぼることもあります。



中にはここでレシピを紹介したいほど簡単で美味しいものまであるんですが、紹介したらバレちゃうかも…。






   ランキングに参加しています

               クリックしてくれたら嬉しいです