この一月ほどの間、6∼8cmの貝の輸送をやっています。約20時間の空輸なので発泡スチロールの箱に氷と一緒に入れて冷蔵状態で送ります。

以前は貝の長距離輸送となると水槽付きの船での輸送がほとんどでしたが、この10数年の間に僻地行きの航空便が増え、特殊な船がなくても安く簡単に空輸ができるようになりました。

ただ空輸には遅延や欠航などのリスクが伴います。載せ替えがある場合には検疫書類の不備などを理由になかなか乗り継ぎの飛行機に載せてくれなかったりすることもしばしばあります。さらに折角到着してもいろいろイチャモンをつけて荷物を渡してくれないこともあります。

今回はそんなハードルを越えて予定通りに先方に受け渡しができたのに海に戻して翌日に30%もの死にを出してしまったという話です。

最初到着時に氷が溶けていて貝が温くなっていたので、それが原因だと思い氷の冷凍時間を長くするなどの方法で対処しました。それで保冷時間は長くなり死に率も減ったのだけどまだ貝は20%も死にました。

この時点で僕は貝の健康状態が良くないのだろうと結論づけていたのですが先方の担当の方からいろいろ頼まれあまり関係なさそうな事まで変更を加えていきました。

で、結局最後に貝を高圧洗浄機で掃除してからパッキングするようにしたら死に率は劇的に改善し1%以下にまで減りました。輸送前にあまりいじるよりもそのままの方がいいだろうと思い汚いままパッキングしていたのですがこれが原因だったのです。

考えてみたら前の会社ではフジツボのような汚れが多かったために、普通に掃除してからパッキングしていたので今回の様な問題が起こらなかったのです。

何度も行っていた空輸なので大きな失敗は無いだろうと舐めていたけど基本を忘れてはいけませんね。先方の指摘が無ければ見落とすところでした。反省です。