昨年末浜揚げ前の真珠の入った貝を1,000個ほど盗まれるという事件が当漁場でありました。インドネシアでは真珠の盗難は珍しいことではないので各社いろいろ工夫して警備を厳重にしています。

その中でも船舶用のレーダーを使って漁場内に進入してくる船舶やカヌーなどを補足しピンポイントで警告を与えるという方法が絶大な効果を発するのだと同業者の方々に教えていただきました。

その後値段や性能などを調べて真珠1,000個を盗まれることを考えたらレーダーの費用は高くないという結論に達しこの度購入の許可を得ることができました。

その次は購入先なのですがなんとインドネシアの偉大なる首都ジャカルタには日本無線の支店があり、日本人が経営している船舶用レーダーの代理店もあるのです。最初は日本無線の方へ問い合わせたのですがおそらく港湾管理で使用するような1千万円以上する高価な機種を推薦され、これは少し説明をするのが面倒くさそうだと思ったのでA川さんという日本人の方が経営する代理店の方に問い合わせてみました。するとこちらでは一発で話が通じました。同業者の皆さんはこちらで購入していたんですねぇ。真珠養殖場に販売し設置した実績が何件もあるので話が速かったです。

最初はカタログを見て電話とメールで済ませてしまおうかとも思ったのですがA川さんのレーダーおたく的お話を電話で聞いているうちにこれは数分では理解できないし、何よりもこんな貴重なお話をお聞きする機会はめったにないと思いジャカルタまで行くことに決めました。

実際、会ってお話を聞くととやはり話はそれにそれていろいろな貴重なお話を聞くことができたし養殖場でのレーダー導入の効果にも確信が持てたので飛行機代を払った価値はあったと思います。

この日の夜は同業者のA野さんと一杯やる約束があったのですがA川さんとA野さんの同僚のS木さんS田さんも合流してレーダーの話から雷の話、飛行機の機種の話、オーストラリアでの白蝶真珠養殖初期の話まで貴重なお話をたくさん聞くことができてとても有意義な一夜となりました。

ほんとうはもう2、3日ぐらい泊まって他にもお会いしたい人もいたのですが愛妻に疑われて後が大変なので今回は一晩でマナドへ帰りました。