シミルボン・2016年11月28日初投稿

 

子どもの頃、再放送を見て好きだったテレビドラマ、本放送で好きだったドラマ。
ドラマを見ていた当時は知らなかったそれらのドラマに少女漫画の原作があることを知ったのは、インターネットで懐かしいドラマについて調べていた時でした。

当時でも、里中満智子先生の『アリエスの乙女たち』(『週刊少女フレンド』1973年連載、1987年テレビドラマ化大映テレビ制作放映フジテレビ全23話)や庄司陽子先生の『生徒諸君!』(『週刊少女フレンド』1977年連載、1980年テレビドラマ化東映制作放映テレビ朝日全28話、1987年月曜ドラマランドにて再ドラマ化制作ホリプロダクション放映フジテレビ)和田慎二先生の『スケバン刑事』(『花とゆめ』1976年連載、1985年初テレビドラマ化制作東映1作目全24話、以後シリーズ化。2作目42話、3作目42話、放映フジテレビ)は少女漫画原作と知っていましたが、それ以外にも、これも少女漫画が原作のドラマだったの?って驚く作品が多々ありました。

その中で、私が一番びっくりしたのは、森田健作さんが主演のテレビドラマ『おれは男だ!』(1971年テレビドラマ化松竹制作放映日本テレビ全43話)が津雲むつみ先生の少女漫画原作だったことです。
まさか、あのドラマが少女漫画原作だったとは驚きです。
剣道部とチアガール部の男と女の対立、その中で生まれる恋愛感情とあのドラマの筋を簡単に書けば、確かに1970年代の少女漫画の王道の話だと思いますが、ドラマからは少女漫画の雰囲気はあまり感じず、青春、爽やかで真っ直ぐな男の子から男性へと進む男性の素直で暑苦しくない熱血さがありました。
最高視聴率21.2%。

調べると、津雲むつみ先生はドラマに顔出し出演されているそうなのですが、再放送を見ていた子どもの頃は漫画家先生の顔を知りませんでしたし……。
『おれは男だ!』は1970年に『週刊セブンティーン』に連載されていました。
また『この子誰の子?』(1986年テレビドラマ化大映テレビ制作放映フジテレビ全22話)も津雲むつみ先生の作品で、同じく『週刊セブンティーン』で1976年に連載されていた『彩りのころ』を原作として持っていました。
『おれは男だ!』のドラマと比べると、『この子誰の子?』は少女漫画の雰囲気は持ってたなって思います。

 

 

 

 


1970年代から1980年前半は、小説や児童文学を原作に持つテレビドラマシリーズも多かったのですが、調べてみると少女漫画を原作にもつ作品が案外と多いのに気がつきます。
それも、放送当時に人気を博し、その時代を代表とするテレビドラマとして、テレビドラマ史に名を残しているのです。
有名なのは、岡崎友紀さん、石立鉄男さん主演の本村三四子先生原作の『おくさまは18歳』(1970年テレビドラマ化大映テレビ室製作放映TBS全53話)

 

 

 

『おくさまは18歳』は『週刊マーガレット』に1969年から連載され、1970年にテレビドラマ化されています。
最高視聴率33.1%。
当時のトップアイドル岡崎友紀さんがヒロインを演じ、次回作もスピンオフで岡崎友紀さん主演の『なんたって18歳!』が制作され、(1971年ドラマ制作大映テレビ室→大映テレビ制作放映TBS全52話)岡崎友紀さんが歌う2作の主題歌もヒットします。
後にこのドラマの流れをくむドラマが生まれていったことからみても、この作品の影響力の大きさが分かります。

他に、私が子どもの頃に見ていて好きだった『花嫁衣裳は誰が着る』も(1986年テレビドラマ化大映テレビ制作放映フジテレビ全24話)また、細田智栄子先生が1968年に『週刊フレンド』で連載していた漫画『あこがれ』を原作としていました。
細田智栄子先生といえば、私は『王家の紋章』(1976年『月刊プリンセス』より連載開始)が直ぐに頭に浮かぶのですが、ドラマ『花嫁衣裳は誰が着る』と『王家の紋章』が私の頭の中では、結びつかず、思いもしない先生が『花嫁衣裳は誰が着る』の原作者だったなんて!と驚いてしまいました。

 

 

原作の『あこがれ』が『週刊フレンド』で連載していたのが1968年ということなので、ドラマ化されたのは、それから18年後、約20年後だったのを考えてみても、ドラマ化した当時から見ても、失礼ながら相当古い作品を持ってきたなって感じました。
ドラマ本放送時代見てた時は仰々しいドラマだと感じましが、だけど、その数奇な運命、過酷な環境の中で、ヒロインが這い上がっていく姿に夢中になりました。
この時代の大映ドラマは、そういう作品が多かったのですが、それがまた、とても良かったのです。

また、このドラマが少女漫画だったの?とは違う驚きで、この漫画もテレビドラマ化されていたの?って驚いたのは、みつはしちかこ先生の『小さな恋のものがたり』でしょうか。
(1962年学研『美しい十代』より連載開始。掲載誌を移りながら連載。芳文社『まんがタイムファミリー』で2008年4月号まで連載。全43巻)
チッチとサリーのストーリ四コマ漫画。1962年から長く描かれた作品で、2年前に完結しました。
アニメ化されていたのは知っていましたが、テレビドラマ化されていたのを知ったのは最近でした。

 

 

1972年に放送されたテレビドラマ『小さな恋のものがたり』(1972年テレビドラマ化国際放映・ユニオン制作放映日本テレビ全13話)は、打ち切りになってしまったドラマの穴埋めに制作された作品だったようで、放送回数も13回と少ないのですが、主演は『おくさまは18歳』の岡崎友紀さんで、13回のうち8本をあの名脚本家市川森一先生が書いているので、作品としての質は高かったのではないか?と思います。

また、このテレビドラマ『小さな恋のものがたり』の前に放送されていたドラマも、少女漫画が原作でした。
原作少女漫画は、松永るり子先生が『週刊少女フレンド』に連載していた『だから大好き!』(『週刊少女フレンド』1972年7月18日号まで連載、1972年テレビドラマ化国際放映・ユニオン制作放映日本テレビ全14話)この作品も岡崎友紀さんが主演です。

また、少し対象年齢は下がりますが、国際放映で制作され、市川森一先生が関わった少女漫画を原作としたテレビドラマといえば、市川森一先生が関わったのは、第1作目だけですが、横山光輝先生が1967年『週刊マーガレット』で連載していた『コメットさん』です。
『コメットさん』は2回テレビドラマ化されていて、私が馴染んでいるのはリメイクされた1978年放送大場久美子さん版『コメットさん』(1978年再テレビドラマ化国際放映制作TBS放映全68話)なのですが、1作目の1967年放送の九重佑三子さん版『コメットさん』も(1967年テレビドラマ化国際放映制作放映TBSも全79話)人気が高い作品です。

2作品とも、TBSのブラザー劇場枠で放送されたドラマです。

 

 

 

 

 

 

昼ドラに目を向けると、一条ゆかり先生の『砂の城』(1997年テレビドラマ化東海テレビ制作全70話帯ドラマ放映フジテレビ系列)があります。
昼ドラは、TBS系列の『花王愛の劇場』とフジテレビ系列の東海テレビの昼ドラ枠があり、どちらも今はその枠が消えてしまいましたが、そこでは漫画を原作に持つドラマも多く制作されました。
他にTBS系列で深見じゅん先生原作の『ぽっかぽか』(1994年テレビドラマ化キティ・フィルム制作放映TBS帯ドラマ1作目全30話。1995年2作目40話、1996年3作目45話)とか。

 

 

ただ、深見じゅん先生の『ぽっかぽか』は月刊女性誌『YOU』に1987年から2015年まで不適連載されていたので、昼ドラの視聴者層と重なり、少女漫画作品というよりは大人向け女性漫画作品と言えるのに対して、一条ゆかり先生の『砂の城』は『りぼん』に連載されていたので、紛れもなく少女漫画作品と言えます。
今の『りぼん』しか知らない人には想像もつかないと思いますが、『砂の城』は『りぼん』で1977年から1979年、1980年から1981年に連載されていた人気作品の一つでした。

他にも女性漫画作品ではなく、あくまでも少女漫画を原作に持つ作品は、まだあるのですが、意外な作品が少女漫画原作だったりしてびっくりしています。
中には知っている作品もありましたが、ドラマを見ていた時には気づかなかった作品、本放送当時人気があった作品、ドラマ作品として有名な作品の中にこれほど少女漫画を原作に持つ作品があったことにびっくりしました。
私が無知なだけの話だったのかな……。