シミルボン・2016年12月8日初投稿

 

恥ずかしながら今日まで知らなかったのですが、吉住渉先生の作品は『ママレード・ボーイ』以外に、この『ウルトラマニアック』もテレビアニメ化されていたのですね。
放送局がアニマックスということで、地上波ではないのですが、アニメ専門チャンネルでの放送ということもあって、アニメ作品としてしっかりと作られていたのではないかなって思います。

漫画も私が吉住渉先生を知った頃に比べると、絵柄の変化はありましたが、全体的に画面から伝わってくる独特の明るさというのが出ていて、読んでいて「ああ、吉住渉先生だな」って感じられる安心感がありました。
吉住渉先生にとって初のファンタジー魔法少女物ではありますが、りぼんマスコットコミックス『四重奏ゲーム』に収録されている『Another Day』がタイムスリップの超能力を持つ女の子の話で、この『Another Day』の元になった作品が、吉住渉先生が『りぼん』の新人漫画賞佳作受賞作になった『One Day…?』というタイムスリップというのもあって、私の中では、なんとなく原点回帰したように感じました。

コミックスのフリートークでも触れていますが、吉住渉先生がこの作品を描こうとする動機に池野恋先生の『ときめきトゥナイト』の存在があったということを知り、その影響力に驚いています。
アニメの絵は私が心配していたよりも原作漫画に近いと感じる一方で、吉住渉先生の絵の変化がアニメの絵に結果的に近づいたようにも感じました。
これは、私が個人的にコミックスを読んで、アニメの絵を検索して見比べた個人の感想なので、違うと感じる人もいるかもしれません。

普段は脇役になる女の子をヒロインに据えるあたりは、ご友人の言葉があったにせよ、『四重奏ゲーム』の頃から変わらないなって感じました。
外見の思い込みからくる人物配置をしない。
しかし、決して奇をてらったような設定ではなく、しっかりと人物を立たせて、話の中に生かしてくるところは、さすが吉住渉先生だと思いました。
クールで綺麗なのに好きな人には可愛くなる亜由、天然ボケで明るい魔法少女仁菜。
魔法やファンタジーに興味がなかったけど、突拍子がない仁菜の魔法に振り回されるも優しくフォローする亜由と一生懸命が空振りする仁菜。
この二人のコンビが可愛らしい作品。

前のコラム『りぼん』の作品はアニメ化よりも…で吉住渉先生の作品は、アニメ化よりもドラマ化のほうが合うと書きましたが、この作品のアニメは日曜日の朝8時半に見てみたかったなって思った作品でした。