シミルボン・2016年12月16日初投稿

 

この漫画、小学生時代の友達が大好きで、友達の家に行くと当時(1986年)発売されていた全巻が揃っていた。
この友達が『アニメージュ』や『アニメディア』を購読していて、この『悪魔の花嫁』以外にも多くの漫画を所有していた。
友達の家には『風の谷のナウシカ』の漫画も、水木しげる先生の『鬼太郎』もあった。
また、この友達は『なかよし』の愛読者でもあったので、『なかよし』の連載作品のコミックスもあった。
あさぎり夕先生の『アップルどりいむ』、松本洋子先生の『ストロベリー探偵団』高階良子先生の『ピアノソナタ殺人事件』等々、友達の家はアニメ誌や漫画のコミックスの宝庫だった。
私は、この友達の影響でアニメ誌を買うようになり、りぼんっ子であったが『なかよし』も読むようになった。
元々、父親の影響で漫画が好きな私だったが、更に私を漫画好きにして漫画の世界を広げたうちの一人がその友達だった。

友達はどちらかといえばダークで、少し怖いホラー系の漫画が好きだったようで、そういう類の漫画が多かった。
『悪魔の花嫁』は、『りぼん』でもなく『なかよし』でもない秋田書店の『プリンセス』の漫画だった。
『プリンセス』の作品を読むのはこの作品が初めてでコミックスのデザインも新鮮に感じた。

綺麗な絵柄が話の不可思議な怖さをかえって際たたせていて、それまで読んできて何も疑問を持たずに無邪気に受け入れていた世界に対して、それが本当にハッピーエンドな話なのかという現実を突きつけてくる話があり、安心して立っていた地面がかき消えてしまう怖さがあった。
印象に強く残っているのは、番外編に近い親指姫の話。

妹、ヴィーナスを愛した罪で天界から追放され悪魔にされたディモスがヴィーナスの生まれ変わりの美奈子を奪うために悪魔の力を使って奇妙な出来事を起こしていく。
愛情の深さが怖くなる漫画。
なんというか、話の奇妙さで怖さを感じさせる時もあれば、絵の恐ろしさでドキッとさせられる怖さもある作品だった。
怖がりの私だが、その奇妙な世界に惹き込まれ病みつきになり、遊びに行くとコミックスを読ませてもらっていた。
1975年から連載されていていた作品で、小学生当時でも随分と昔から連載している漫画だなと感じていた。
根底に流れる一貫した物語はあれど、オムニバス形式の連作漫画でもあったので、上記に書いた『親指姫』の話もある。
この作品長く続いた作品だけども、今でも本格的な完結ってないんじゃないかなあ……。

それまで、怖い話の少女漫画というと坂東江利子先生や楠圭先生の作品しか知らなかったりぼんっ子の私は、この漫画が好きな友達の影響で、この『悪魔の花嫁』を始め、いろいろと怖い少女漫画を知った。
松本洋子先生も私が小学生時代には『なかよし』でホラー漫画の書き手として人気のある漫画家だった。
高階良子先生の漫画も怖かった。
その中で、怖い少女漫画の筆頭として一番最初に思い出すインパクトの強い作品それが『悪魔の花嫁』。