シミルボン・2016年12月17日初投稿

 

時間を忘れて読んでしまう面白い漫画。
こんなにも、読む流れが心地の良い漫画だったなんて思わなかった。
1972年『月刊少年ジャンプ』に連載され、1980年には2回テレビアニメスペシャルにもなった。
1983年に毎週放送のテレビアニメ化、2007年には実写映画化されている。
ジャンプ系の漫画で初めて小学館漫画賞を1976年(第22回)に受賞した作品でもある。
人気も作品の質も高い名作としても有名な本作。

作者のちばあきお先生はちばてつや先生の実弟。
兄、ちばてつや先生のアシスタントをされていたからか、少し絵柄が似ているところがある。
しかし、作品を読めば、兄ちばてつや先生とは違う、ちばあきお先生独自の味のある世界が広がっている。

名門野球部から転校してきた谷口は周囲の勘違いから、その勘違いの実像に近づくために努力する。
その努力により虚像を実像へと変えていく力を見ていて谷口に感情移入していく。
彼の頑張りを読みながら、どんどん応援していることに気がつく。

読むのに抵抗がなく、努力が報われる優しい世界。
けれど、努力と人がかけてくれた期待を裏切ってはいけないという厳しさもある。
報われる努力の結果はさまざまな形で出てくる。
人の優しさに気持ちが温かくなる作品。

後の人に、一人でも多く読んで欲しい名作。