シミルボン・2016年12月23日初投稿

 

1980年代のりぼんっ子にとって、忍者漫画といえば、『かん忍!!茜』。
明るくて楽しくてほのぼのとした温かい笑いがあって、心が和みます。
忍術は、あれ?そんなのありですか?っていうのもあるんだけど、楽しいから、ま、いいかって思っちゃう。
元気で明るくて忍者漫画だけど、ちゃんと少女漫画です。

茜は伊賀忍者の末裔、茜の父鉄太郎も同じく伊賀忍者で茜が通う高校の化学教師です。
父鉄太郎は、世間や学校に自分達親子が忍者だとばれないように慎重に生活することを茜にもいうのですが、茜は忍術で人を助けたり、バスケットボール部のマネージャーになって、恋する田巻君のために忍術を使っちゃいます。

忍者だったり、少しとんでも忍術を使う以外は、普通の恋する女の子茜の話。
読んでいて楽しく、大爆笑まではいかないけれども、シリアスから転じるギャグの落差に心がズッコケ、ギャグからシリアスに転じれば、しみじみとした気持ちへと切り替わります。
登場してくる人達が、いい人が多くて、最初は敵だった甲賀の忍者伊集院法子(いじゅういん ほうこ)さんも、やっぱりいい人。

茜の明るさと優しさと温かさと面白さ、どぎづくない笑いは和やかで、ギャグ忍者漫画というようりは、明るく楽しい恋愛忍者少女漫画っていう感じかな。
第1部と第2部に分かれていて、どちらも楽しかったな。

樹原ちさと先生の漫画は、どこかとぼけたところがあるんだけど、絵が可愛くて、ギャグがなくてもその絵で少女漫画の王道の話が描けるはずだけど、どこかしら楽しい笑いを入れて、真面目な絵から単純なギャグの絵も入って、シリアスとギャグのバランスの匙加減が絶妙で大好きです。
気持ちが優しく明るく楽しくなれる作品を樹原ちさと先生は、『りぼん』でいっぱい描いてくれました。
樹原ちさと先生も私が大好きな『りぼん』で活躍された漫画家の一人です。