80万円という膨大な支払い金額と
初めて向き合い、血の気が引いていきました。

しかし実家暮らしで平社員の私は
手取りが15万、家には半分入れるので残り8万。
携帯代、パソコン代などの支払いをすると
残るのは5万。それは弁当代にほぼ消える。

当然ですが、毎月買っていた服も我慢し
大好きだったおやつやお菓子も我慢しました。
昼食の弁当を我慢した日もありました。
それでも支払いは待ってくれないのです。

焦って気が動転していた私は
月の支払い金額を増やし、できるだけ早く
完済に向かうようにとしました。

しかし手数料は増える一方。
支払いもきつく、結局は月15000に逆戻り。
当然ながら親に相談もできませんでした。

もう終わった。人生終わってしまった。
自業自得です。
あの時あのアプリさえ取らなければ…
と何度後悔しても、もう遅い。

本当に私は狂っていたのでしょう。
「身体を売ろう。パパを作って
お小遣いを貰えばいいんだ。」
他にも道はあったと思います。
でも私はもうそれしか無いと思ったのです。

パパが募集できるサイトに登録し、
積極的にブログなどで活動を始めます。

すると、すぐに何人かから連絡がきました。
それは全て、ホ別で15000円や、
一夜で10000円、と言った内容ばかり。

足りない。そんなのじゃ間に合わない。
金銭感覚が麻痺していた私にとって
1万など、ほとんど端金のようなものでした。

もっと条件がいい人を…
早く80万を返済しなければいけないのに…
そこに一人の男性から連絡が来ます。

「月25万~支援します」
それは、月に何度か会うことで
毎月支援してもらえる仕組みでした。

私はすぐに食いつきました。
幸い相手は隣の県に住んでいた為に、
会う約束を取り付けるのはスムーズでした。

しかし、相手の男性は50代後半。
20代の私から見ればお父さんよりも年上。

抵抗がなかったと言えば嘘になりますが、
今はそんなこと気にしている場合じゃない。
一刻も早く80万円を返済しなければいけない。

普段よりも厚化粧をし、自分を隠した私は
駅の前で男性を待ちました。
プッとクラクションを鳴らされ、その車に乗ります。

そこには、少しだらしないポロシャツと
ジーンズにサンダルと言う、いかにもおじさんらしい
おじさんが座っていました。

あぁ。このおじさんとするんだ。
嫌だな。気持ち悪い。
でも私はやめようと思いません。お金の為だから。

車を走らせながら、いろいろな話をしました。
名前を聞かれた時はもちろん偽名を使い、
住んでいる場所も、ややフェイクを入れました。
もし親にばれてしまったら…と思ったためです。

借金はおろか、今から得体の知れないおじさんと
良からぬことをしようとしているなんて
親が知ったらどう思うだろうか。
そんな思いを殺して、ホテルへと向かいました。

続きます。