「甲斐バンド」を知ったのは「裏切りの街角」だった。

 

イントロからもう、ギュイーンと心をつかまれ、

その歌声にも惹きこまれた。

感情移入し過ぎる私は、その歌が、どしゃ降りの光景に思えた。

アスファルトをたたきつける、激しい雨。

 

ぶっきらぼうで、投げやりで、やるせない歌い方。

当時の私は、心塞ぐことがあり、この歌は

只々、やるせなく、好きか嫌いかわからない歌だった。

 

落ち着いて聴いてみると、どしゃ降りではなく

「しとしと五月雨」だった。

「五月雨」、今頃の季節の歌だったのか。

「しとしとさみだれ」が三度も出て来る。

 

甲斐よしひろ、この人のズルい所は、

ぶっきらぼうで、投げやりな歌い方でも、ほんの少し

「甘い感じ」を漂わせている事だ。

 

今、初めてこの歌の動画を観る。

この無表情さはどうだ。

だけどやっぱり、ノックアウトされる。

 

「裏切りの街角」 甲斐バンド お借りしました。