明け方の雨音に 私は想う
大正池の 水かさは 増したかな、と。
ここは上高地じゃないのに。
まどろみの中で 上高地を想う。
18ぐらいの時 友達と二人で 上高地に旅行に行った。
初夏の上高地。
梓川も河童橋も みんなキラキラしていて
エメラルドの宝石を砕いたような 輝きだった。
憧れの大正池。立ち枯れの大正池。
その池までも 水面がキラキラしていて 綺麗だった。
長い長い年月が流れ、長男が上高地へ行くと言っていた。
後日、長男から感想を聞いた。
「おすすめの 大正池は 水が干上がっていて
川の底を歩けるくらいだった」と。
ショックだった。
以来、大正池の水かさを気にしている。

