最初、タイヤ工場と勘違いした「ブリヂストン美術館」は立派な美術館だった。

ここに1枚だけ佐伯祐三の作品があるとの事。

 

出来れば「パリ裏街」ならいいな。長男の美術の本に載っていた。

パリの絵なのに、日本の裏町みたいにお豆腐屋さんのラッパが聞こえそうな絵。

この人の絵は何故 こんなに淋しそうなのだろう、と気になっていた。

それは「惹かれた」という事なのだが。

 

緊張しながら館内を歩くと 佐伯祐三の絵があった。

それは「テラスの広告」というタイトルで 赤やグリーンが効いていた。

 

もちろん お豆腐屋さんのラッパの音は聞こえなかった。

 

       もう かれこれ 20年前の話。