JRで1時間30分かけて、奥さんの
実家に帰っている。
JRの電車に乗るのは久しぶりなので
子供の頃を思い出し、少し
ワクワクしていた。
あ、そうだ。弁当を買って
電車の中で食べよう。
それと、ビールも買って行こうかな。
そんな感じで、結構ギリギリだった
けれど電車に乗り込んだ。
おなかはペコペコだったから
早速弁当を開けて、
ビールも飲もうとしたのだが、
周りをよく見てみると
会社帰りのOLさんや
学生さん達ばかり。
なんだか急に肩身が狭くなって
取り出そうとした弁当を
そっと袋に戻した。
昔、まだJRが汽車だった頃
ひとりで電車を乗り継いで
ばあちゃんの家に泊まりに
行っていた。
当時はまだ小学生であったが
なけなしのお小遣いを
その時ばかりは後の事も考えず
お菓子や漫画を買って
汽車旅行を満喫していたのだ。
その頃の汽車の中は
ゆったりとして、
木で出来た床が
なんだかあったかくて
旅行気分をより一層
盛り上げてくれたもんだった。
そして、そこで食べる
弁当やお菓子は最高だった。
自分の中の汽車の旅とは
そういう楽しいもののはずだったのに
どうやら今は時代が違うらしい。
清潔感のある綺麗な車内。
お互いの事を考えて静かな車内。
もちろん、それがマナーだから
当然なんだけど
なんだか さみしい。
自分達の決めたルールで
段々動けなくなって来てる気がする。
周りに乗客が居なくなってきたので
こっそり袋から弁当を出し
ビールも開けて一口飲んだ。
いつもなら、美味しいはずのビールも
ただ苦いだけだった。
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