今回の主な登場人物
ヒロイン 福来スズ子/花田鈴子(趣里)
マネージャー 山下達夫(近藤芳正)
スズ子のUSKの後輩 秋山美月(伊原六花)
コロンコロンレコード 佐原(夙川アトム)
―街娼―
ラクチョウのおミネ(田中麗奈)
ラン(小田ゆりえ)
マキ(辻凪子)
タマ(和海)
第20週「ワテかて必死や」
芸能雑誌『真相婦人』を手に、スズ子の楽屋へ乗り込んできたラクチョウのおミネ。スズ子の取材記事が気に食わないと、すごい剣幕です。さすがのスズ子も圧倒され、言い返せないほど。
記事の見出しには「ワテはパンパンの味方でつせ!」「ワテがパンパンを守る!」と、スズ子が口にしていない言葉が。鮫島の「(パンパンガールを)擁護するんだ〜」が、こんな飛躍した見出しになってしまうとは。おミネは、スズ子がそう言ったから記者も書いたと思っているようです。
ワテが言うたんは、皆さんにも窺い知れへん事情があるんやろなって
それが偉そうだって言ってんだよ
アンタみたいに訳知り顔であーだこーだ言ってくるやつらはたくさんいる
でもね、腹の底じゃみんなアタイらを見下してんのさ
おミネが偉そうだと感じるのは、何だか分かる気がするなあ。ただ、おそらくスズ子は、そもそも街娼の女性たちを意識していないと思います。無関心の意味ではなく、上とか下とか考えていないということ。鮫島に訊かれたから答えただけ。
自分から「◯◯(立場や学歴や職業など)とか気にしないからー」って言う人は大概、意識してる。だから言っちゃう。なぜか自分を上だと思いながら。こちらは尋ねてないのに。そして、そういう人って知ったような口を利く確率が高い。何でだろ?
おミネが、スズ子の人気取りに利用されるなんて、真っ平御免なんだよ!と怒鳴ると愛子が泣き出します。そりゃそうだ。
楽屋に子どもを連れて来ていることに驚いたのか、おミネはトーンダウン。赤ちゃんが泣き出して申し訳無さそうでもありました。去り際の「邪魔したね」は愛子に言うように屈んでいたような。
おミネ――真っ直ぐで心根の優しい、強い人という印象です。だからこそ、100人もの女性たちをまとめ上げるリーダーなのかと。
山下さんもレコード会社の佐原さんも、これ以上深入りしないようスズ子に言います。しかし、誤解を解くため直接話そうとするのがスズ子です。山下さんに愛子を預け、おミネを訪ねに行きます。
劇場のある有楽町辺りから三鷹の家まで帰ったのに、また有楽町へ行くのは大変だなあと私なんかは考えてしまうのですが。
向かったガード下で街娼たちに絡まれ……おミネと話すことになる流れが思いの外軽い感じがしました。スズ子ひとりがコントっぽい。絡まれて『東京ブギウギ』歌うことになり、タダで歌うのかと思ってしまったけど、本物だと証明しなきゃいけないし、怖いし仕方ない。普段通り歌えずに偽物判定されてしまいそうで心配しましたが、タイミングよくおミネが登場してよかったです。こういう安心が欲しい。
中盤、秋山がスズ子を訪ねてきました。2年ぶり。
スズ子の同期で娘役トップのリリーは、酒造会社の御曹司と結婚し、USKを退団。リリーの物真似そっくりでした!スズ子が在籍していた頃のメンバーは秋山だけに。改めて、中山と結婚せず大阪に戻って良かったと思います。中山はどうしているのでしょうね。
秋山もリリーも(おそらく和希ちゃんも林部長も)、スズ子が歌えなくなるかもしれないと心配していました。本当に心配していたんだろうと思えるのは、秋山役の伊原六花ちゃんの演技力に加えて、USKとUGD時代がしっかり描かれていたから。桃色争議の頃から15年くらい経つと思いますが、今も絆があることが感じられます。
【画像:illustAC】